昇格失敗で主力流出の危機が迫るC大阪 「降格2年目のJ1復帰」への条件とは?

予想外の降格劇から2年続けての屈辱

 今季J2リーグ4位のC大阪は、6日に長居スタジアムで行われたJ1昇格プレーオフ決勝で、同3位の福岡と1-1で引き分けた。その結果、大会規定により昇格を逃すこととなった。J2屈指の戦力を擁しながらも、1年でのJ1復帰に失敗――。”ホーム”のピッチに広がるにわかに信じがたい光景に、選手はぼうぜんと立ち尽くし、スタジアムに詰めかけた多くのサポーターは悲嘆に暮れた。

 昨季クラブ史上3度目となる降格の憂き目を見たC大阪は、オフシーズンに日本代表MF山口蛍をはじめ、多くの有能なタレントの流出が危惧されたものの、主力クラスで移籍したのは南野拓実(→ザルツブルク)、杉本健勇(→川崎)のみ。逆に玉田圭司(←名古屋)、関口訓充(←浦和)といった即戦力を加えることに成功し、J2史上まれに見る豪華な陣容で1年でのJ1復帰へ向けてシーズン開幕を迎えた。

 だが、夏の移籍市場を前に高額年俸がネックになっていた元ウルグアイ代表FWディエゴ・フォルランと、元ドイツ代表FWカカウがそろって退団。得点源を失い、さらに元日本代表MF長谷川アーリアジャスールもサラゴサへと移籍した。その穴を埋めるように、FWエジミウソン、FW田代有三、DF田中裕介ら実力者を次々に獲得したが、主力の顔ぶれが大きく変わったチームは安定せずに失速。さらに最終節前にはパウロ・アウトゥオリ監督が解任され、大熊清強化部長が指揮を執るなど、一貫性に乏しい強化体制が仇となった。

 過去にも予想外の降格劇を演じ、「1年でのJ1復帰」を掲げて潤沢な資金を投じてJ2を戦ってきたクラブは多く存在する。その中で、成功例の代表格と言えるのが2007年の広島、2010年の柏、2011年のFC東京、2013年のG大阪の4チームだろう。

 

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