香川の決勝弾に目を丸くしたドルトムント監督 「本当に珍しいゴール」
不敗神話を崩した一撃
ドルトムントの日本代表MF香川真司は5日のヴォルフスブルク戦で途中出場し、後半アディショナルタイムに決勝点を決めた。アルメニア代表MFヘンリク・ムヒタリアンのラストパスから左足でゴールを挙げて、チームを2-1の勝利に導いた。トーマス・トゥヘル監督は相手のホーム29試合連続無敗記録を破った香川の決勝弾について「本当に珍しい」と振り返った。チームの公式サイトがリポートしている。
チームは前半から猛攻を仕掛けた。前半32分には、前線からのプレッシングでロイスが先制点を決めた。
「最初の35分間は素晴らしいパフォーマンスだった。おそらく、この時点までは我々の最高のパフォーマンスの1つだった。先制点までには時間を要したが、もっと早く決めるべきだったし、リードを広げるべきだった。ゴールの後、我々は自信を失った。我々には失うものがあるという恐怖心だろうか。我々は集中を失い、カウンターを許した。守備には気持ちがこもっていたが、パスもよくなかった」
先制後にチームは精神面に異常をきたし、リズムを失ったと指揮官は指摘。そして後半10分、ベンチスタートだった香川を投入し、背中に痛みを負ったドイツ代表MFイルカイ・ギュンドアンを下げた。
「長い時間本当に苦しんだ。相手は多くの決定機をつくった。我々は本当にラッキーだった場面もあった。興味深いことに、同点に追いつかれてからチームは冷静さとともにプレーし始めた。我々の2点目は同点弾を許したアウェーのチームとしては、本当に珍しいゴールだった。ヴォルフスブルクでPKを与えた直後、あんなゴールを決めることができるなんて珍しい。ここでプレーし、勝つことがいかに困難か分かっている。だからこそ、ここで勝つことができてより幸せを感じる。このチームは素晴らしい精神力を示してくれた」
DFピスチェクが後半45分に相手FWシュールレをエリア内で倒し、PKを与えた。本拠地で29試合連続無敗中のヴォルフスブルクで勝ち点3を奪うことがいかに難しいのか、相手が知らしめた直後に香川がムヒタリアンとの華麗な連係から電光石火の左足弾を決めた。
不敗神話を打破した香川の一撃がいかに例外的なゴールだったのか、指揮官はかみしめるように振り返った。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images