英協会会長が提言 プレミアのクラブ数20から18に削減へ
欧州カップ戦の躍進と代表強化へ
イングランドサッカー協会(FA)のグレッグ・ダイク会長は、リーグの競争力をより高めて欧州カップ戦での躍進すること、そしてイングランド代表の強化へつながることを期待し、プレミアリーグのクラブ数を現在の20から18へと削減することを考えているようだ。英地元紙「サン」が報じている。
プレミアリーグは近年、TV放映権料の高騰による各クラブの財政が潤い、世界中から多くのスター選手を集めている。だが、そうした中でも、UEFAチャンピオンズリーグで2012年にチェルシーが優勝して以降は苦戦が続いている。ダイク会長は欧州での競争力アップのためにも、チーム数の削減を提案する意向だという。今後、プレミアの最高経営責任者のリチャード・スキューダモア氏と話し合いを進めていく考えだとリポートされている。これによりリーグだけでなく、近年メジャートーナメントで不調が続くイングランド代表強化にもつながることを期待している。
ただし、その道のりは決して平たんなものではない。その一つに前述のテレビ放映権の問題がある。2016年からの3年間で1兆円近い巨額の契約を結ぶプレミアリーグだが、その契約はチーム数が20チームが前提であることを合意に達しているからだ。
イングランドはリーグ戦に加えて2つの国内カップ戦があり、欧州諸国の中でも非常に多くの試合をこなさなければならない。ウィンターブレークを設けず、年末年始も試合が行われることでも知られるが、チーム数削減となればそうした過密日程の緩和にもつながるだろう。ただし、プレミアリーグの下のカテゴリーにあたるチャンピオンシップなどにも大きな影響が出ることは避けられない。ダイク会長が望む変革も決して一筋縄ではいかないだろう。
近年、成功をおさめるドイツは国内リーグが18チーム。スペインやイタリア、フランス、サッカー王国ブラジルなどはプレミアリーグ同様20チームで争われている。果たして、プレミアリーグに大改革の時は訪れるのだろうか。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images