ロシアW杯の屈辱から1年… ドイツ代表“復活の鍵”を握る万能型「新リーダー」の姿

ゴレツカら同世代の選手たちとともに「すごくハングリーだ」

「『彼らがいなくなった』ということよりも、多くの若手選手はプレーできるチャンスをずっと待ち望んでいたんだ。僕は右サイドバックで上手くチャンスをもらうことができたけど、例えばレオン(ゴレツカ)、セルジュ(ニャブリ)、ニクラス(ジューレ)はコンフェデ杯以外ではなかなか起用してもらえなかった。みんな所属クラブで成長を続けて、今こうやって代表でプレーすることにすごくハングリーだ。

 今の代表には95、96年組が多くいる。みんな世代別代表で一緒にやってきた仲間だ。これまでにいろんな大会で結果を残してきたし、一緒に戦ってきた。ここにマルコ(ロイス)、イルカイ(ギュンドアン)、トニ(クロース)というちょっと上の世代の選手とのミックスがこのまま上手くいけば、今後いいチームになっていくはずだ」

 今すぐEUROやW杯で優勝争いできるというわけではない。そのことは監督も選手も分かっている。でも今の代表には、1年前の代表にはなかった躍動感がある。新たなことにどんどん取り組み、ミスを恐れずにチャレンジしていこうという疾走感がある。確かな手応えと飽くなき野心で、さらに成長していきたい。

(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)



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中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。

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