2011年優勝メンバーの岩清水梓が見る、なでしこJのグループリーグ展望&勝利のポイント

ドイツ大会で初優勝を飾ったなでしこジャパン、2大会ぶりの王座奪還に期待が高まる【写真:Getty Images】
ドイツ大会で初優勝を飾ったなでしこジャパン、2大会ぶりの王座奪還に期待が高まる【写真:Getty Images】

「初W杯の子が多いなかで、壁にぶつかったとしてもそれはその先に絶対つながる」

 今回、W杯メンバー23人のうち、9人をベレーザの選手が占める。岩清水は日頃の練習で一緒に汗を流しているチームメートたちにエールを送る。

「ベレーザの選手として贔屓目で見てしまいますけど(苦笑)、ベレーザのサッカーが間違っていない、世界にも通用するというのを証明してほしいですね。もちろん、ベレーザ単独で出るわけではなくて、代表のやり方に合わせないといけない。対戦相手も速さと高さがあって、守備は大変だと思います。でも、みんなでしのいで、ボールを持っている時間を長くすれば、スルーパスとかは毎日練習しているプレー。相手の意表を突くプレーから、ベレーザの選手がゴールを決めたら個人的には嬉しいです」

 なかでも、約2年半に及ぶ怪我との戦いを乗り越え、初のW杯メンバー入りを勝ち取ったFW小林里歌子への期待は大きい。壮絶なリハビリを近くで見てきた岩清水は、「つい親目線になってしまいますね」と笑い、なでしこの後輩に思いを馳せる。

「里歌子はU-19とか年代別代表で功績を残してきた一方で、なでしこ(ジャパン)に入っていないという悔しい思いはずっとしていたと思います。怪我さえなければ、これからなでしこにコンスタントに入っていくはずだし、年代別代表の頃の自分を超える結果を出せる選手。もしかしたら、彼女の敵は過去の代表の時の自分かもしれません。それを塗り替えて、さらに上に登っていくことを期待しています」

 最後に岩清水は、2011年以来となるW杯制覇を目指す高倉ジャパンのメンバーに、「いろいろ感じて帰ってきてほしい」と語った。

「各カテゴリーで世界を獲った選手たちがワールドカップへ挑むので、そんなに心配はしていません。でも、カテゴリーの枠が外れて、ぶつかる壁も大きいと思います。世界を経験していたとはいえ、全然違う、となるかもしれない。ただ、壁にぶつかるならぶつかってきてくれとも感じます。初めてW杯を経験する子が多いなかで、壁にぶつかったとしてもそれはその先に絶対つながる。通用すること、通用しないこと、いろいろ感じて帰ってきてほしい。もちろん、出場するからには過去の優勝チームとして、良い結果を出してほしいです」

 先輩から後輩へ、受け継がれてきたなでしこの伝統がフランスの地で再び花開くと、多くの人々が信じている。

(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)



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