初陣で垣間見せたクロップの狙い 「ゲーゲンプレス」の主軸を担う存在とは

試練多きクロップ初陣

 ユルゲン・クロップが、ついにプレミアリーグの舞台に降り立った。ドルトムント時代は、黄色い帽子がトレードマークだったが、リバプールの指揮官となった名将は、シンプルな黒いジャージに袖を通し、ピッチに現れた。しかし、その胸元にはリバプールFCの象徴である「ライバー・バード」が、しっかりと刻み込まれていた。「クロップ・リバプール」の幕が切って落とされたのだ。

 17日に迎えた強豪トットナム戦。就任わずか10日間、主力の揃った全体練習は3日間と、わずかな時間しか与えられていない中で臨んだ試合は、スコアレスドローに終わった。

 就任直後にDFジョー・ゴメスがイングランドU-21代表のカザフスタン戦で、FWダニー・イングスはクロップ体制の初練習で、両者ともに前十字靭帯断裂という今季中の復帰が絶望視される重傷を負い、クロップ監督は早くも試練を迎えていた。

 さらに試合当日には、エースのFWダニエル・スターリッジが膝の故障により、急きょメンバーから除外。主将のMFジョーダン・ヘンダーソン、今夏に移籍金63億円で加入した大物FWクリスチャン・ベンテケも負傷で戦線離脱しており、ほとんどの主力を欠く中で初陣を迎える危機的状況にあった。それでも敵地ホワイト・ハート・レーンから、勝ち点1を持ち帰ってみせた。

「スタートには満足しているよ。準備期間はたったの3日間で、対戦したのは強力なトットナム。それでも、相手を少し驚かせることができたんだからね」

 試合後、クラブ公式サイトを通じ、記念すべき就任初戦のコメントを残した。今夏加入したFWソン・フンミンを欠くも、ほぼベストメンバーで臨んだトットナムに対し、互角の試合を演じられたことは、サポーターにとっても好印象だったはずだ。そしてデータ上でも、クロップの初陣がポジティブなものであったことが立証されている。

 

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