06年W杯優勝メンバーの数奇な旅 引退状態のイタリア代表守護神がプレミア王者にたどり着いた理由とは
イタリア6部の選手権役員からチェルシーに衝撃移籍のアメリアが告白
ベルギー代表GKティボ・クルトワの負傷により、イングランド・プレミアリーグのチェルシーは元イタリア代表GKマルコ・アメリアを緊急補強した。2006年ドイツW杯の優勝メンバーである守護神の加入劇には、不思議な縁もあったという。チェルシーの公式サイトのインタビューで、アメリアがその裏話を語っている。
イングランドらしく英語でインタビューに応じたアメリアだが、イタリア国外でプレーするのは初めての経験だ。英語に苦労することの多いイタリア人選手だが、ACミランでの経験により多くの苦労を抱えることはなくチームに合流しているという。
「僕が英語を習ったのは、ミランのロッカールームの中だったんだ。GKというポジションだし、チームメートとコミュニケーションを取るのが重要だったからね。セードルフやイブラヒモビッチ、ボアテングが僕の先生さ。イタリアの学校は、英語の教育に熱心ではないからね。そして今は、このチェルシーのチームメートと話すために学ぶことがすごく重要なんだ。英語が上手な妻からも習っているよ」
そう語ったアメリアは、ミランやローマなどでプレーし、2006年にイタリア代表がドイツワールドカップを制した際には出場機会こそなかったものの優勝メンバーの一員になっている。これまでに代表9試合出場の経験を持つ33歳だが、第一線からは退いた状態にあった。13-14シーズン終了後にミランを退団すると、昨年10月からイタリアの6部に相当するロッカ・プリオーラに選手兼役員として加入していた。今夏の移籍市場ではリバプールで出場機会を失っていた元ミランでのチームメートであるFWマリオ・バロテッリに獲得オファーを出したことでも知られる。
「僕のストーリーは、ちょっと変わっていると思う。去年、ほとんど引退をしていたからね。自分の生まれ育った小さな町のプロジェクトに協力したいと思っていたんだ。だけど、僕はイタリアでしかプレーしたことがなかったし、海外からのオファーに対して『ノー』という言葉はなかった。この新しい経験を得るためにプレーしたいと思ったし、もしあなたがチェルシーのようなクラブから求められたら、『ノー』とは言えないだろう?」