U-22代表に帰還の鹿島DF 40度近い酷暑と劣悪ピッチのなかで決めた大勝導くゴール

鹿島アントラーズのDF町田浩樹【写真:Getty Images】
鹿島アントラーズのDF町田浩樹【写真:Getty Images】

DF町田がCKから先制ヘディング弾、8-0のゴールラッシュ導く

 苦しむチームに勢いをもたらしたのは、森保一監督体制となって初めて年代別代表に選出されたDF町田浩樹(鹿島アントラーズ)だった。

 22日、ミャンマーで東京五輪1次予選(日本は開催国のため免除)を兼ねたU-23アジア選手権予選が行われ、U-22日本代表は初戦でマカオと対戦。苦しい時間もあったが、後半に一気呵成のゴールラッシュで8得点を奪い大勝を収めた。

 40度近くまで気温が上がる酷暑とデコボコのピッチ。厳しい環境に適応するまでに時間がかかり、前半は難しい展開を強いられていた。チャンスはあれどもゴールが遠く、前半はスコアレスのまま。マカオが自陣にブロックを敷いてきたとはいえ、無得点で折り返したことに多少焦りはあっただろう。

 だが、後半6分に町田がチームの流れを変える。「あの1点が非常に大きかった」とはチームを率いる横内昭展監督代行の言葉。左サイドのCK、三好康児からの鋭いボールが中央に向かうと、高い打点のヘディングでゴールに突き刺した。

「あれだけ引いてこられたらセットプレーしかないと思っていた。自分は高さで相手に勝っていたので、走り込まずに中で準備して『せーの!』で競っても勝てると思っていた。しっかり競り勝つことができて良かった」

 2016年のU-19アジア選手権の優勝メンバーながら、翌年のU-20ワールドカップでメンバー落ちを経験。その後、大怪我を負い苦しい時期を味わった。それでも一歩ずつ前に進み、今季は鹿島でコンスタントにプレー。「やっぱりチームで出ていたことがあっての招集だと思う」とクラブで自信をつけ、2年ぶりに代表に戻ってきた。そのなかで決めたチームを勝利に導くゴール――嬉しさに笑顔がこぼれた。

「“よっしゃあ!”という感じもあったし、みんながすぐ寄ってきていい雰囲気で祝福してくれてうれしかった。久しぶりの代表戦で得点が取れて、数字を残せたことは本当に良かったと思うし、自分としても大きいです」

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林 遼平

はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。

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