“バルサ経由”と“地方クラブ育ち” 「大きな未来のある」17歳のJ1対決に見えたもの

サガン鳥栖を率いるカレーラス監督【写真:Noriko NAGANO】
サガン鳥栖を率いるカレーラス監督【写真:Noriko NAGANO】

「若い選手をしっかり育てる。それは先進国ならどこも同じだ」

 結果的には鳥栖が10人に減り、トップ下にポジションを移した久保がダメ押しゴールのお膳立てをして、FC東京が2-0の勝利を収めた。しかし、むしろ途中まで狙いどおりの試合を進めていたのは鳥栖のほうで、エースのフェルナンド・トーレスも「今日は勝つための姿勢をしっかり見せることができた」と語っている。

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 小学生時代にバルセロナへ渡り、鳴り物入りで帰国した久保が期待どおりの成長を証明する一方で、中学生まで地方のクラブで育った松岡が同じ舞台で堂々と戦う。アマチュア時代の過去から記録破りの若いデビューには話題作りの狙いも否めなかったが、2人は純粋に戦力的にも不可欠の存在と見ていい。

「若い選手をしっかり育てる。それは先進国ならどこも同じだ」(カレーラス監督)

 立ち遅れ気味だった日本の育成の裾野の広がりと進化が、少しだけ実感できた試合となった。

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(加部 究 / Kiwamu Kabe)



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加部 究

かべ・きわむ/1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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