原口、関根…“ドリブラーの系譜”を継ぐ浦和MF汰木 ACL鮮烈デビューで示した可能性

今季から浦和でプレーするMF汰木康也【写真:クラブ公式サイトのスクリーンショットです】
今季から浦和でプレーするMF汰木康也【写真:クラブ公式サイトのスクリーンショットです】

伝統的にドリブラーが活躍 名刺代わりのプレーで「違いを生み出すことはできたと思う」

 それでも、汰木には浦和加入のうえで追い風もあった。かつて浦和でプレーした元日本代表GK山岸範宏からは山形で同僚だった縁もあり、浦和の選手たちに「汰木をよろしくな」というメッセージが届いていた。さらには、昨年夏に山形から同年齢のDF茂木力也が浦和へ期限付き移籍から復帰していた縁もあり、始動前には自主トレで主将のMF柏木陽介と共に体を作った。今でも柏木は、練習前後や2人組のトレーニングでも汰木を気にして声を掛ける姿が見られる。

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 チームは3試合無得点が続いていたなか、オリヴェイラ監督はFW武藤雄樹が戦線離脱していることに触れていた。その復帰が近づき、汰木は「今日、結果を出さないと次はないと思っていた。この10分で強みを全部出さないといけないと思っていた」と、勝負どころという意識があったのだという。そこで見せたプレーは、まさにチャンスをものにすると同時に、自身の可能性を広げるものにもなっただろう。

 また、伝統的にドリブラーが活躍してきたクラブだけに、汰木は「仕掛けるドリブラーが好きなチームやサポーターだと聞いたことはあったし、一つそこで違いを生み出すことはできたと思う」と話した。その言葉の通りに、浦和サポーターは3点目を生んだ新戦力のことを早くも楽しみな存在だと認識しただろう。名刺代わりの一戦になったのは間違いのないはずだ。

 オリヴェイラ監督の言葉からも、まずは“スーパーサブ”の地位を確立するところからのスタートになるだろう。それでも、柏木は期待をしているからこそ「1試合で(評価を)決められるわけじゃない。プレッシャーを掛ける意味でも、何試合も出て証明してほしい」とエールを送る。今季の初得点と初勝利となったこの一戦では、閉塞感の打破という意味でも汰木が果たした役割は大きいものとなった。

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