希望を得た45分そして絶望を味わう45分 岡崎の同点弾も、日本は後半大量失点で王国を去る

エースの仕事

 だが、同点に追いつかれたコロンビアは後半開始と同時に、エースのハメス・ロドリゲス(ASモナコ)と、カルロス・カルボネロ(リバー・プレート)を投入する。すると、そのエースが日本の前に立ちはだかった。後半10分、ゴール前でハメス・ロドリゲスがドリブルで仕掛け、DFをひきつけて横に預ける。パスを受けたジャクソン・マルティネス(ポルト)がワントラップから左足でネットを揺らし、日本を突き放す。らに、同37分にはカウンターから、またもマルティネスにゴールを奪われ、決定的な3点目を決められてしまう。

 そして、ハメス・ロドリゲスは、軽やかなステップで吉田麻也(サウサンプトン)を抜き去り、左足でふわりと浮かせた。日本を絶望へと陥れる、あまりにも鮮やかなゴールで勝利を決定付けた。

 ブラジルの地で突きつけられたのは、あまりに厳しい現実だった。ザッケローニ監督はすべてを終えた直後に、口を開いた。

「非常に残念です。良い試合はできたが、もっとできることがあったかと思うと残念。私たちは先制したかったが、コロンビアはカウンターがすばらしかった。どうしても決めきれなかった。我々は、もっとできることはあった。今日は良い試合をしたが、ラッキーではなかった。本当の意味でサッカーはできたが、相手が強かった」

 主将の長谷部誠は「自分たちの力不足。それ以上でも、それ以下でもない」と言い、唇をかんだ。

「このチームは、選手、スタッフに誇りを持っている。結果は出なかったので、応援してくれた人に本当に申し訳ない。結果がすべての世界。この4年間のためにやってきて、結果が出なかったことに、キャプテンとして責任を感じている。今後も、とにかく日本のサッカーを継続して同じプランを描いて進んでいくことが大事。今日の試合で少しはそれを見せられたが、この大会を通してという点では非常に残念でした」

 突きつけられた現実にあらがうように、キャプテンは重い口を動かし、自らの思いを語った。日本の王国での冒険は、1分2敗のグループC最下位で終えた。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

※ワールドカップ期間中、サッカーマガジンゾーンウェブが記事内で扱うシーンやデータの一部はFIFAワールドカップ?公式動画配信サイト&アプリ『LEGENDS STADIUM』で確認できます。
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