南野拓実を突き動かす「チームのために」の思い 大迫復活で輝き増すアイデアと連動性

今大会初ゴールが待望されるが…

 そしてイラン戦である。先制点は大迫のスルーパスを受けた南野が、一度は相手のタックルでボールを失うも、イランDFがファウルかどうか主審の様子をうかがっている際に「相手の足が止まったのが分かった」ため、猛ダッシュしてルーズボールを拾い、絶妙のクロスから大迫のヘディングでのゴールをアシストした。

 追加点につながったPKも大迫のヒールパスを受けた南野のクロスが、モルテザ・プーラリガンジのハンドを誘発する。いずれも大迫と南野の距離が近いことで生まれたコンビプレーからの崩しだった。そしてだめ押しの3点目も、起点はパスカットした原口元気だが、柴崎岳、南野経由で原口に渡り、原口はドリブルから冷静にゴールを決めた。

 イランとの準決勝で全3ゴールに絡んだ南野。次に期待されるのは自身の大会初得点となるが、おそらく本人はそれほどゴールにこだわっていないだろう。なぜなら「絶対に優勝して日本に帰りたい。チームのために必死に戦いたい」という思いが、南野の心を占めているからだ。

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(六川亨 / Toru Rokukawa)



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六川 亨

1957年、東京都生まれ。月刊サッカーダイジェストの記者を振り出しに、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任。01年に退社後はCALCIO2002、プレミアシップマガジン、サッカーズ、浦和レッズマガジンなどを創刊して編集長を務めた。その傍らフリーの記者としても活動し、W杯や五輪などを取材しつつ、「サッカー戦術ルネッサンス」(アスペクト社)、「ストライカー特別講座」、「7人の外国人監督と191のメッセージ」(いずれも東邦出版)などを刊行。W杯はロシア大会を含め7回取材。現在は雑誌やウェブなど様々な媒体に寄稿している。

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