予断許さぬミランのタイ人実業家への株式売却騒動 いまだ契約締結されず

度重なる延期の要求

 タイ人実業家のビー・タエチャウボル氏は30日、ミラノへと到着した。イタリアの名門ACミランの株式の48%を5億ユーロ(約700億円)で買い取ることで既に合意したといわれる同氏。本来であれば、契約を締結するための1日になるはずだったが、さらなる延期を要求していると、イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」が報じている。
 同紙によれば、「ミスター・ビーは札束入りのアタッシェケースを持つことなくミラノに来た。買い取り完了に向けた次のステップへ、30日から45日間を要求する見通しだ」と報じている。
 本来であれば、1カ月前には契約が締結されている予定だった。しかし、延期に次ぐ延期が繰り返されている現状を迎えている。9月30日に交渉日が設定された際には、ミランのシルビオ・ベルルスコーニ会長にとって1日遅れの79歳の誕生日プレゼントになると伝えられていた。しかし、メーンの贈り物は1日どころか少なくとも1カ月以上遅れることになった。
 こうした現状に、ミラン側は本気でこのタイ人実業家が撤退を考えているのではないかというリスクに直面している。そのため、今後の契約締結の方法や日程について、今回のミラノ滞在の間に明確化することを最大のノルマとしているようだ。
 今夏の移籍市場でベルルスコーニ会長が「1億ユーロを投資して強いミランを再生させる」と怪気炎を上げた背景には、この株式譲渡による収入が色濃くあった。その後ろ盾を失うようなことになれば、名門ミランは前代未聞の危機を迎えることになるかもしれない。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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