中国移籍浮上のチェルシー闘将テリー 給与未払いのリスクにも猛者達が海を渡る理由とは

かつてはドログバらも選んだ道

 だが、記事では「移籍する場合は、中国が目的地となる可能性がとても高い」と報じられている。かつてチェルシーで共闘したディディエ・ドログバとニコラ・アネルカの2トップも退団後、2012年シーズンに中国・上海申花でプレーした過去がある。だが、最終的には給料の未払いというトラブルに巻き込まれて退団している。それでも、中国マネーはかつての名手を引き寄せ続けている。チェルシーOBで言えば、アイスランド代表FWエイドル・グジョンセンも石家荘永昌でプレー。エバートンなどで活躍したオーストラリア代表FWティム・ケーヒルも上海申花でプレーしている。
 未払いというチャイナリスクをはらみながらも、かつての名手が海を渡る最大の理由はオイルマネーにも引けを取らない圧倒的な資金力だ。イタリアの名将マルチェロ・リッピ氏は、2013年に中国1部強豪の広州恒大を率いた際は年俸1000万ユーロで指揮官としては当時世界3位の高給だった。ドログバにもアネルカにも10億円超の巨額年俸が提示された。額面通りに払われない可能性もありながら契約書に並ぶ「0」の数には抗えない。
 近年は未払いリスクを回避するために、選手も契約初年度に契約期間中の年俸を一括払いで求めるケースも増えているという。
 カタール、アメリカに並んで、引退寸前のヨーロッパの選手や金額の多寡で移籍先を決める、お金にドライな選手にとって人気のスポットとなっている。猛威を振るうチャイナマネーはかつての名手の心を揺さぶってやまない。テリーも来年1月の移籍市場以降、中国に電撃移籍を果たすかもしれない。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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