タイMFチャナティップ、芸術的な決勝ボレー弾の反響拡大「日本のファンもハッピー」

北海道コンサドーレ札幌に所属するタイ代表のMFチャナティップ【写真:ⒸAFC】
北海道コンサドーレ札幌に所属するタイ代表のMFチャナティップ【写真:ⒸAFC】

右サイドからのクロスを左足で豪快にフィニッシュ「“メッシ”がバーレーンを斬撃」

 J1北海道コンサドーレ札幌に所属するタイ代表のMFチャナティップは、10日に行われたアジアカップ・グループリーグ第2戦で値千金の決勝ゴールを決め、チームを勝利に導いた。今回が3大会ぶり7回目の出場となるタイだが、2007年以来となる大会通算2勝目となり、立役者となったエースに対し、「“メッシ”がバーレーンを斬撃」「日本のファンもハッピーだろう」と海外メディアで称賛の嵐となっている。

 6日のグループリーグ初戦でインドに1-4と大敗を喫したタイは、バーレーンに押し込まれながらもピンチを凌いでチャンスをうかがう。絶好の決定機が訪れたのは、0-0で迎えた後半13分だった。

 中盤でボールを奪ったタイは、DFトリスタン・ドゥがスルーパスに抜け出して右サイドを突破。相手のスライディングを受けながら中央にクロスを送ると、これに飛び込んだのがチャナティップだった。

 猛スピードのまま、ワンバウンドしたボールに合わせて左足を振り抜くと、矢のようなシュートがバーレーンゴールへ。コースはゴールの正面上だったが、相手GKの反応も追いつけず、豪快にネットを揺らした。タイはチャナティップの挙げた1点を守り切り、1-0で今大会初勝利を飾った。

 3大会ぶり7回目の出場となったタイだが、シンガポール紙「ザ・ストレーツ・タイムズ」によるとアジアカップでの勝利は2007年大会以来で、通算22試合目で2勝目。同紙は、「チャナティップのファンは、彼をアルゼンチンのスーパースターであるリオネル・メッシと比較する。チームが彼を必要とする時、チャナティップも試合の勝者になれることができると証明した」と、“タイのメッシ”の異名を取る男のエースとしての働きを伝えている。

 タイ紙「タイ・ラット」が「“メッシ”がバーレーンを斬撃」と伝えれば、オーストラリアのサッカー情報サイト「The World Game SBS」も「タイのヒーロー」と称賛。タイメディア「Khaosod」は、札幌でプレーするチャナティップが昨季リーグ戦30試合8得点を挙げてJリーグベストイレブンに輝いた背景も踏まえ、「日本のファンもハッピーだろう」と報じている。

 2試合を終えて勝ち点3のタイは、得失点差でインドを下回るため、現在リーグ3位。14日の第3戦で元日本代表監督のアルベルト・ザッケローニが率いる開催国UAEと対戦する。Jリーグを沸かせたチャナティップが、母国を決勝トーナメント進出に導けるか注目が集まる。

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