トルクメニスタン戦苦戦の収穫 「先に失点しても負けない」勝者のメンタリティーの礎

2011年のカタール大会、日本は幾多の試練を乗り越え頂点にたどり着いた【写真:Getty Images】
2011年のカタール大会、日本は幾多の試練を乗り越え頂点にたどり着いた【写真:Getty Images】

試練を乗り越えてこそチームも成長するゆえ、初戦の苦戦は歓迎

 ただ、これらは日韓両国やオーストラリアにとって一朝一夕に解決できる問題ではない。アジアカップは開催地域によって開催時期も異なるし、気候などの条件も変わってくる。そのため折り合いを付けて参加せざるを得ないのが現状だが、ヨーロッパとアジアのサッカーカレンダーが違う以上、日本や韓国にとって避けられない試練でもある。

 アジアカップに話を戻すと、初戦で苦しんだことはむしろ歓迎したい。2011年のカタール大会がそうであったように、試練を乗り越えてこそチームも成長する。当時はGK川島永嗣、DF吉田麻也、MF香川真司らが台頭し、MF長谷部誠、DF長友佑都、MF本田圭佑らがチームの主力として確固たる地位を築いた大会でもある。

 森保ジャパンの船出としては、結果を残しただけに悪くない出だしではないだろうか。「先に失点したとしても負けるわけがない」という勝者のメンタリティーを常にアジアで発揮する――。その第一歩となることに期待しつつ、今後の試合を楽しみたいと思う。

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(六川亨 / Toru Rokukawa)



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六川 亨

1957年、東京都生まれ。月刊サッカーダイジェストの記者を振り出しに、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任。01年に退社後はCALCIO2002、プレミアシップマガジン、サッカーズ、浦和レッズマガジンなどを創刊して編集長を務めた。その傍らフリーの記者としても活動し、W杯や五輪などを取材しつつ、「サッカー戦術ルネッサンス」(アスペクト社)、「ストライカー特別講座」、「7人の外国人監督と191のメッセージ」(いずれも東邦出版)などを刊行。W杯はロシア大会を含め7回取材。現在は雑誌やウェブなど様々な媒体に寄稿している。

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