トルクメニスタン戦苦戦の収穫 「先に失点しても負けない」勝者のメンタリティーの礎

 後半2ゴールを決めたとはいえ、前半の大迫はほとんどボールを収めることができなかった【写真:Getty Images】
後半2ゴールを決めたとはいえ、前半の大迫はほとんどボールを収めることができなかった【写真:Getty Images】

海外組が多く、地理的なハンデもある日本にとってはアジア杯の難しさを痛感する試合に

 そんな意思統一されたチームに対し、日本は明らかにコンディションのバラツキが感じられた。2ゴールを決めたとはいえ、前半の大迫はほとんどボールを収めることができず、MF中島翔哉を欠いたせいかMF南野拓実も輝きを発揮できなかった。これがアジアカップの難しさでもある。

 さらに、試合前日の森保一監督は「国内組と海外組のコンディションの違いと怪我人」に頭を痛めていた。海外組が多いだけに、そう簡単に解消できる問題ではない。それはそのまま、初戦でヨルダンに0-1で負けたオーストラリア、フィリピンに1-0と苦戦した韓国にも当てはまるだろう。

 例えばトルクメニスタンは、23人の登録メンバーのうちほとんどが国内2クラブの選手で占めている。タイに4-1と大勝したインドは、昨年12月に開催されたクラブW杯の頃から現地入りして調整していると聞いた。サウジアラビアはこれまでW杯などのビッグイベントでは、国内リーグよりも代表強化を優先してきた。

 唯一の例外はイエメンに5-0と大勝したイランだが、海外組とはいえ隣国のカタールや近隣のトルコでプレーしている選手もいて、地理的にもホームに近い(サウジアラビアも同様だ)環境だ。

 こうした点が、オーストラリアや韓国、日本が苦戦を強いられた一因として指摘できるのではないだろうか。

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六川 亨

1957年、東京都生まれ。月刊サッカーダイジェストの記者を振り出しに、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任。01年に退社後はCALCIO2002、プレミアシップマガジン、サッカーズ、浦和レッズマガジンなどを創刊して編集長を務めた。その傍らフリーの記者としても活動し、W杯や五輪などを取材しつつ、「サッカー戦術ルネッサンス」(アスペクト社)、「ストライカー特別講座」、「7人の外国人監督と191のメッセージ」(いずれも東邦出版)などを刊行。W杯はロシア大会を含め7回取材。現在は雑誌やウェブなど様々な媒体に寄稿している。

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