神様ジーコ、現代の10番に持論展開 「ふさわしい」と評価する2選手とその理由とは?
メッシとアザールを“10番”らしい存在に列挙「戦術にあてはまらない自由な動きをする」
鹿島アントラーズのテクニカルディレクターを務めるジーコは、かつてブラジル代表の10番を背負い、テクニシャンとして鳴らした。そんな“サッカーの神様”が「Omnisport」のインタビューで、現代における「10番がふさわしい選手」に言及。アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(バルセロナ)と、ベルギー代表MFエデン・アザール(チェルシー)の2人を挙げている。
ジーコがまず触れたのは、史上最多タイのバロンドール受賞5回を誇るメッシだった。「現在“10番”がふさわしいのは誰かと言えばメッシだろう」と切り出すと、メッシのプレースタイルを踏まえながらその理由について語っている。
「彼はスピードがあったから初めの頃はウイングでプレーしていた。だが中央となるとFWのスアレスがいる。そこでメッシは下がった位置でプレーをしたが、そのポジションにはいろんな選択肢があるんだ」
バルセロナではサイドからスタートし、センターフォワードにウルグアイ代表FWルイス・スアレスがいる状況から“偽9番”とも言われる1.5列目で猛威を振るっていると分析した。また、ジーコは「ベルギー代表のアザールも10番の役割を十分果たしている」と話し、ロシア・ワールドカップ(W杯)で母国ベルギーを史上最高の3位に導いたアタッカーにも高評価を与えている。
もっとも、現代ではかつてのようにゲームメイクだけが10番の仕事ではなく、「彼らのような選手はチーム戦術にあてはまらない自由な動きをする。ゴールに背を向けようとはせず、ゴールを正面に見ようとするんだ」とよりゴールに向かっていくスタイルだとした。
ロシアW杯では当時19歳のFWキリアン・ムバッペ(パリ・サンジェルマン)がフランス代表の10番を背負い、20年ぶりの大会制覇に大きく貢献した。20歳となった神童を含め、ジーコのお眼鏡にかなう10番候補が台頭してくることを期待したい。