“采配ミス”悔やむ小嶺監督 早期敗退もJ1湘南内定MF鈴木の成長に喜び「プロでもそういない」

長崎総科大附を率いる小嶺忠敏監督【写真:Football ZONE web】
長崎総科大附を率いる小嶺忠敏監督【写真:Football ZONE web】

長崎総科大附での6度目の挑戦は3回戦で終幕、帝京長岡に1-2敗戦

 長崎県勢の国見を6度、島原商も1度優勝に導いた名将の、長崎総科大附(長崎)での6度目の挑戦は3回戦で終幕した。第97回全国高校サッカー選手権3回戦が行われた3日、浦和駒場スタジアムでは73歳の小嶺忠敏監督が指揮を執る長崎総科大附が帝京長岡(新潟)と顔を合わせたが、1-2で逆転負けした。

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 前半20分、昨年3月にJリーグのセレッソ大阪ユースから転籍したエースで主将のMF鈴木冬一が、力強いドリブルで持ち込み、左足でゴール右隅に先制点を蹴り込んだ。

 しかし前半終了間際の39分にPKを与えて追いつかれ、1-1の後半38分にも左からパスをつながれ、決勝点を奪われた。いずれの失点も細心の注意を払わないといけない時間帯だけに、まさに痛恨だった。

 小嶺監督が悔やんだのが2点目だ。「交代を考えていた時にやられた。(183センチの)柏木(澪弥)を入れてパワープレーに持ち込もうとしたのだが、8分くらい判断が遅かったかな。交代時期を誤った」と振り返った。

 新チーム結成時からしばらく、老将は不安を抱えながら指導に当たったそうだ。練習や試合に臨む姿勢も満足できなかったし、教えても実行できない選手が多かったという。

「(指導者を)50年やってきて、こんな年は初めてですよ。どうなるのかと思ったが、9月過ぎにはチームらしく、人間らしくなり、県予選くらいは勝てるかなと感じられるようになった」

 その原動力が鈴木だった。特定の選手をあまり褒めない指揮官だが、こと鈴木の話題になると饒舌になって次から次へとエピソードを披露するほどだった。

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河野 正

1960年生まれ、埼玉県出身。埼玉新聞運動部で日本リーグの三菱時代から浦和レッズを担当。2007年にフリーランスとなり、主に埼玉県内のサッカーを中心に取材。主な著書に『浦和レッズ赤き激闘の記憶』(河出書房新社)『山田暢久火の玉ボーイ』(ベースボール・マガジン社)『浦和レッズ不滅の名語録』(朝日新聞出版)などがある。

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