後半からの投入も得点へと導けなかった遠藤 「冒険を続けたい」「このまま終われば消化不良」

 日本のアルベルト・ザッケローニ監督は後半開始とともに動いた。長谷部誠に代えて、日本屈指のゲームメーカーをピッチへと送り出したのだ。ピッチに立った背番号「7」は数的優位を生かし、最終ラインからボールを引き出してビルドアップの中心を担った。だが、前半38分から一人少なくなり、より守備意識の高まったギリシャの強固な守備ブロックを前に活路を見いだせず。時間が刻々と経過していった。

 しかし、この日、最後の最後に絶好機が訪れた。後半45分、直接FKの好機を得ると、本田と遠藤が横並びとなってボールの前に立った。南アフリカW杯でも、ゴールネットを揺らした2人だ。劇的決着の予感漂う中、背番号「7」が先に助走を開始した。

 そのまま、「前半のFKの場面を見ていて、GKの動くのが速いなと思っていた」という遠藤が右足を振る。「コースは良かった」というが、予想に反してギリシャGKオレスティス・カルネジスは動かず。しっかりとコースを見極められ、ゴール右隅に放たったシュートをかき出されてしまう。遠藤は試合後、首を捻った。

GKがあんまり動いていなかった。壁の上も選択幅にあったけど、前半のFKを見てあっちに蹴りました。毎日練習していて、自信を持って蹴ったんだけど、決めきることができれば良かった。セットプレーはあらためて大事だと感じたし、次にチャンスがあれば決めきれるようにしたい」

 日本はスコアを動かすことができず、試合を終えた。この結果によって、日本はより厳しい立場に立たされてしまった。決勝トーナメントへと進出するためには1次リーグ最終戦で強豪のコロンビアから勝利を収め、かつコートジボワールがギリシャ相手に引き分け以下に終わらなければいけない。

 報道陣からの「次でザックジャパンが最後になる可能性もあるが?」という問いかけに対し、遠藤はこう答えた。

「まだ何も考えてない。まだまだ冒険を続けたいと思っているし、このまま終わればみんな消化不良になる。追い込まれた状況は良いことではないけれど、もう勝つことしか可能性はない。勝ちきるイメージを持って戦いたい」

 日本歴代最多キャップを誇るMFが発した言葉には、強い覚悟がこもっていた。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

※ワールドカップ期間中、サッカーマガジンゾーンウェブが記事内で扱うシーンやデータの一部はFIFAワールドカップ?公式動画配信サイト&アプリ『LEGENDS STADIUM』で確認できます。
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