新時代の「3-4-3」が誕生? マンCの“偽SB”や“ハーフスペース”を封じたリヨンの守備

リヨンの布陣に近かった、神戸戦の後半に見せた名古屋の対応

 守備時に5-2-3となる中盤が薄いリヨンのフォーメーションは、一見するとバランスが悪いように見えるが、サイドとハーフスペースを使って崩しを図るシティに対しては非常に有効だった。もちろん、エンドンベレとウセム・アウアーのボランチ二人のクオリティーの高さなど、個の能力の素晴らしさもある。

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 ただ、こうした3-4-3の使い方はすでにJリーグでも行われている。第31節のヴィッセル神戸に対する名古屋グランパスの後半の対応はリヨンに近かった。

 いわゆる5レーンを埋めてしまう守備で、それが必要なのはCLでもJ1でも同じという事情なのだと思う。攻撃側の変則的な位置取りに対して、先に重要なスペースを埋めてしまうやり方と言える。

(西部謙司 / Kenji Nishibe)



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西部謙司

にしべ・けんじ/1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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