ベテランという力

直接聞いてはいないので、あくまで推測でしかないが、いろんな意味を込めてプレーしてくれていたと思う。 それほど、彼らの存在は大きかった。 振り返ればキャリアの終盤、自分自身が思うように疲労が回復しないことはあった。 若いころのように、体の無理がきかない場面もあった。 だが、 厳しいゲームの幾多を戦い抜いてきたという自負があった。 チームを正しい方向へ導けるという自信もあった。 確かに、若い選手の集まりが、勢いもって勝ちきるという例は見られる。 しかし、今年の横浜F・マリノスの躍進が証明するように、経験を積んだ選手たちが成功をもたらすこともある。 ベテランの価値を見誤ってはいけないということだ。 選手は与えられた場所によって、眠っていた力を発揮することもあれば、与えられた役割を意気に感じて、チームへの貢献を誓うこともある。 クラブをマネジメントする人たちは、適材適所で彼らを生かす方法を考えるべきで、 その価値は多角的に判断されるべきである。 何を感じ、どこに自分の存在価値を見出しているのか。 彼らの声に耳を傾けてみよう   文:宮本恒靖

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