ACL決勝、貴重な先制弾を導いた“影のヒーロー” 鹿島DF山本脩斗が描いた攻守のビジョン

鹿島DF山本脩斗【写真:Getty Images】
鹿島DF山本脩斗【写真:Getty Images】

ペルセポリスとのACL決勝第1戦で2-0勝利、先制点直前にあったビッグプレー

 鹿島アントラーズは3日のAFCチャンピオンズリーグ決勝第1戦でイランの雄ペルセポリスと対戦し、MFレオ・シルバとMFセルジーニョのゴールで2-0と勝利した。2点のアドバンテージで10日(日本時間11日午前0時)の敵地第2戦、“完全アウェー”のアザディ・スタジアムに乗り込むこととなった。

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 何度も危機を乗り越えて迎えた後半13分、鹿島にとって待望の先制ゴールが生まれた。決めたのはレオ・シルバ。左から展開されたボールをDFチョン・スンヒョンが右前方のDF西大伍につけると、インサイドでパスを受けたレオ・シルバがペナルティーエリア右手前のMF土居聖真とショートパス。リターンパスから左足で中に持ち出し、ディフェンスをかわして左足を振り抜く。イラン代表守護神アリレザ・ベイランヴァンドの牙城を破り、ボールはゴール左に吸い込まれた。

 阿吽の連係とレオ・シルバの個人技が融合した見事なゴールだったが、実はこの直前に“ビッグプレー”があったのだ。厳しい時間帯を耐えた鹿島は前がかりに攻撃を進めていた。DF山本脩斗のパスから、センターバックのDF昌子源が右スペース前目にポジションを取る西にダイナミックなサイドチェンジパスを通すと、西はシンプルにクロスを入れる。ゴール中央でディフェンスを背負ったセルジーニョがヒールで流すが、FW鈴木優磨には合わず、ペルセポリスのディフェンスにクリアされた。

 そこからボールをつながれれば、ペルセポリスが得意とするロングカウンターが炸裂しそうな状況だったが、山本が左サイドバックの位置から相手のクリアボールを見事に読んで、相手より前に出てボールを拾った。そのまま前方のMF安部裕葵につなぐと、「セカンドボールが鍵だと思っていた」と語るボランチ三竿健斗を経由して左ワイドで受け、再び右サイドにペルセポリスを揺さぶり、待望の先制ゴールにつながったのだ。そのプレーについて山本は振り返る。

河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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