中島と堂安を輝かせる「45度の間合い」 “名ドリブラー”金田氏も唸るボールタッチの質

中島と対峙した相手DFは「1試合を通じて後手を踏んでいた」

 そして金田氏は、中島と堂安の二人がこうしたミドルシュートを迷わず狙える要因として、「ボールタッチの質」を挙げている。

「彼らはこれまでの多くの日本人選手とは、ボールタッチの質、感性とリズムが違う。例えば大迫のゴールにつながった中島のシュートの場面。ペナルティーエリア手前で横パスを受けた中島は、まず左足でピタリと足もとに収めてゴールに正対する。その時、彼の周囲には4人のウルグアイの選手がいたが、一度、二度と右足のアウトサイドでボールを細かく右に動かしてシュートコースを作り、右足を振り抜いた」

 利き足のアウトサイドでのボールタッチで、自らの時間と空間を巧みに生み出していく――。金田氏によれば、中島は左サイドでボールを受ける際にも、常にこの感覚でリズムを刻んでおり、「トラップした瞬間に縦へも行けるし、中にも切り込める。対峙した相手DFはおそらく、1試合を通じて後手を踏んでいるはず。1対1の駆け引きにおいて、“頭の中”でも中島を抑えることができていなかったはずだ」と、相手を惑わすプレーの選択肢の豊富さを讃えている。

 そしてボールを受ける際のキーワードとして、金田氏が挙げたのが「45度の体の向き」だ。

「中島は右足のアウトサイドでボールをコントロールする際、必ずと言っていいほど体の向きが(相手ゴールに対して)45度になっている。縦にも中にも行けるその角度を保ちながらアウトサイドでボールを動かすことで、素早く次のアクションへとつなげられる。私が見る限り、これまでの日本代表でこうした間合いを作ることができたのは、乾と良い時の香川だけだ。

 左利きの堂安も、右サイドで左足のアウトサイドでボールを動かし、45度の角度を保つ。後半14分にゴールを決めた場面でも、酒井からペナルティーエリア内でパスを受けると左足のアウトサイドで正確にトラップ。この絶妙なタッチによりゴールに対して45度で向き合った瞬間、彼はニアサイドにもファーサイドにもシュートを打てる選択肢を手にしていた。どちらに蹴ってくるか分からないから、ウルグアイのGKムスレラも明らかに反応が遅れた」

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