ユベントスの深慮遠謀 レアルのコバチッチ獲得で司令塔の玉突き移籍狙う
スペイン代表司令塔イスコ獲得に再アタック
インテルが若き才能あふれる「10番」として育ててきたクロアチア代表MFマテオ・コバチッチはレアル・マドリードへの移籍が秒読み状態にあるという。その状況下で、同じイタリアのライバルクラブであるユベントスが漁夫の利を得ることを目論んでいる。イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」が伝えている。
今夏の移籍市場において、ユベントス最大の補強ポイントでありマッシミリアーノ・アッレグリ監督が熱望してやまないのが、才能あふれるトップ下の選手だ。この段階で、レアルのスペイン代表MFイスコに対し、再アタックの姿勢を見せているという。
現状、イスコを取り巻く状況は複雑になっているという。スペインメディアやサポーターは、レアルのラファエル・ベニテス監督に対して「イスコをレギュラーでプレーさせるべきだ」という論陣を張っているが、それは実現していない。コバチッチ獲得により、玉突きの格好でイスコが押し出され、レアルから離れることを危惧している。そして、ユベントスがそのイスコに対してアプローチを仕掛けているのが現状だと報じている。アレッグリ監督にとっては、イスコはトップ下の候補として願ってもいない存在だ。以前にも、獲得へ向けての調査を行っていただけに、現場サイドの要望と一致した動きになると見られている。
問題になるのは、移籍金とイスコ本人の意向の両面をクリアできるかどうかだ。まず、移籍金の部分では4000万ユーロ(約54億円)から5000万ユーロ(約67億円)が必要になるという。ユベントスにとってこの金額は高すぎるため、FWアルバロ・モラタをレアルから獲得した際と同様に、レアル側に買い戻しのオプションを付けた形での移籍形態を提案する可能性を報じている。モラタは昨季欧州チャンピオンズリーグでレアルに引導を渡す活躍を見せており、イスコ獲得で二匹目のドジョウを狙う格好となっている。
そして、ユベントス側はイスコ本人がレアルからの放出を希望する何らかのアクションを起こすのを待っているという。そうしたタイミングがあれば、レアルのフロレンティーノ・ペレス会長を同意させるために有力な材料になるとしている。
移籍市場の終盤は往々にして大物選手の玉突き移籍が発生する。サッカー界の主役候補と期待されるイスコ、そして、コバチッチという実力者がイタリアとスペインの間で玉突き移籍の当事者となるのだろうか。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images