日本代表「パナマ戦出場15選手」を金田喜稔が4段階評価 南野の「シュート意識の高さ」絶賛

(左から) 大迫、伊東、南野、室屋、川又【写真:田口有史 & Getty Images】
(左から) 大迫、伊東、南野、室屋、川又【写真:田口有史 & Getty Images】

解説者が日本代表選手を詳細に査定 大迫は「ストライカーとして得点率が低い」

 日本代表は12日の国際親善試合パナマ戦に3-0で勝利し、9月の初陣コスタリカ戦(3-0)に続き新体制2連勝を飾った。森保一監督は今回の10月シリーズに向けて、ロシア・ワールドカップ(W杯)の主力組6人を初招集し、若手との「融合」に着手。今回の試合ではそのなかからFW大迫勇也(ブレーメン)とMF原口元気(ハノーファー)の二人をスタメン起用した一方、最終ラインにはA代表デビューとなる19歳の冨安健洋(シント=トロイデン)を抜擢した。

 前半に南野拓実(ザルツブルク)が先制点をマークし、後半に伊東純也(柏レイソル)とオウンゴールで追加点を奪った日本の戦いぶりは、エキスパートの目にどのように映ったのか。1970年代から80年代にかけて「天才ドリブラー」としてその名を轟かせ、日本代表としても活躍した金田喜稔氏が、パナマ戦に出場した全15選手を4段階評価(◎→○→△→×)で査定。2戦連続先制ゴールの南野を高く評価した一方、W杯組の大迫には物足りなさを感じたようだ。

 ◇    ◇    ◇

<FW>
■大迫勇也(ブレーメン/→後半21分OUT)=△

 決定機を作れず、シュートミスも多かった。やはりセンターフォワードは点を取ってナンボのポジション。今季から所属するブレーメンで右サイドなどいろいろなポジションをやらされている現状はあるにせよ、日本代表のストライカーとしては得点率が低い(34試合8得点)。ロシア・ワールドカップ(W杯)では足もとに収めた後に、シンプルに後方の選手に下げて使われ役に徹していたけど、今回は自らのドリブルミスやパスミスも目立っていた。能力が高い選手だからこそ、奮起に期待したい。

<MF>
■南野拓実(ザルツブルク/→後半21分OUT)=◎

 2試合連続ゴールは素晴らしい。2点目の伊東の得点に絡んだ時も、原口から受けたボールを左足でシュートに持っていき、結果的にそのこぼれを伊東が決めた。狭いスペースでしっかりとキープし、周囲の選手を使うことができるのも好印象だが、何よりもシュートの意識が高い。そして実際に得点を奪っているというのが、トップ下の選手としてものすごく大きな評価になる。

■原口元気(ハノーファー)=○

 攻守における運動量、ディフェンスへの切り替えの早さ、闘う姿勢など、今季から所属するハノーファーではあまり試合に出られていないなかで、原口らしいプレーを見せてくれた。特に後半は自らのパスからチームの3点目を引き出し、久しぶりに左サイドでのプレーとなったことで、中に切り込んでから右足でシュートという得意の形も見せた。ただしコンビネーションにおいては、左SBの佐々木との関係が良いわけではないし、南野や大迫との連携も良くなかったが、苦しいなかで持ち味を後半に出せたという点は評価したい。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング