元日本代表MF松井大輔が語るフランスリーグ マルセイユ酒井を「凄い」と讃える理由とは

計6シーズンに渡ってリーグ・アンでプレーしたMF松井大輔【写真:荒川祐史】
計6シーズンに渡ってリーグ・アンでプレーしたMF松井大輔【写真:荒川祐史】

酒井は「特別」なクラブの一つであるマルセイユのサイドで信頼を勝ち取る

 現在、リーグ・アンでは日本代表DF酒井宏樹がマルセイユ、日本代表GK川島永嗣がストラスブールに所属している。かつては元日本代表MF稲本潤一(現・北海道コンサドーレ札幌)がレンヌ、元日本代表FW大黒将志(現・栃木SC)や元日本代表MF梅崎司(現・湘南ベルマーレ)、FW伊藤翔(現・横浜F・マリノス)がグルノーブルでプレーしたが、なかでもフランスの名門マルセイユで酒井がレギュラーを張る価値はとてつもなく大きいという。

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「フランスのなかでマルセイユとパリ(・サンジェルマン)だけは特別です。ファン、サポーター、街の人、フランス国民全ての期待が懸かっている。その2チームは、日本の野球で言う『阪神対巨人』みたいな感じ。マルセイユは移民の街で泥棒なども多く、住むにも大変だと聞いています。そのなかで、酒井くんは本当に凄いな、と。認められるのが難しいクラブ、サイドというポジションで信頼を勝ち取っているわけですから。リーグ・アンはサイドの激しい攻防は日常茶飯事で、1対1を仕掛けてくる選手が多いので、サイドバックは1対1が日々強くなっていくと思います」

 実際、酒井はパリ・サンジェルマンのブラジル代表FWネイマールやフランス代表FWキリアン・ムバッペら世界を代表するアタッカーとマッチアップし、奮闘している。日本代表不動の右サイドバックとして君臨しているのも、フランスでの経験が大きいだろう。

「例えば、スペインはテクニックに優れたリーグというイメージがありますよね。日本人選手は技術や敏捷性が一つの武器と言われるなかで、逆の流れというか、フィジカル系のリーグに行くのは意義があることだと個人的に思います」

 自ら海外に飛び出し、ステップアップ移籍や各国でしか知り得ない体験をしてきた松井だからこそ、その言葉の重みは計り知れない。

[PROFILE]
松井大輔(まつい・だいすけ)/1981年5月11日生まれ、京都府出身。鹿児島実業高時代からテクニシャンとして知られ、卒業後に京都パープルサンガ(現京都サンガF.C.)に加入。アテネ五輪出場直後の2004年夏にフランスのル・マン(当時2部)に移籍し、初年度から主力として1部昇格に貢献した。08年からはサンテティエンヌ、グルノーブルとフランスで戦い、その後はロシア、ブルガリア、ポーランドと各国1部リーグで奮闘。14年にジュビロ磐田と契約して10年ぶりのJリーグ復帰を果たし、今年1月から横浜FCでプレーする。日本代表としても南アフリカ・ワールドカップに出場するなど通算31試合出場1得点。8月に海外で計11年、8クラブを渡り歩いた経験を凝縮した著書「日本人が海外で成功する方法」(角川書店)を上梓した。

(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)



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