大迫勇也を突き動かす「W杯の悔しさ」 ドイツで追求する“結果”と代表復帰への覚悟

チームが勝利も、目に焼きつけたライバルのゴール

「エネルギー」――。その決意表明にも似たフレーズからは、“悔恨を力に変えてみせる”という確固たる意思が滲み出ている。

 ヴォルフスブルク戦の大迫は1-0の状況で後半38分に交代でベンチへ下がったが、チームは大迫の代わりに途中出場したエッゲシュタインが、同じく途中出場のピサーロからラストパスを受けてダメ押しゴールを決め、2-0で勝利した。

 試合後のミックスゾーンで話している途中、大迫は備え付けのモニターを凝視した。エッゲシュタインのゴールシーンが流されているのを確認すると、「うん、切り替えて、頑張ります」と言った。

 まるで敗戦後のセリフのように、大迫は顔をしかめてその場を去った。

 見据える視線は未来にある。厳しく険しい眼差しが、無言でそう語っていた。

(島崎英純/Hidezumi Shimazaki)



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島崎英純

1970年生まれ。2001年7月から06年7月までサッカー専門誌『週刊サッカーダイジェスト』編集部に勤務し、5年間、浦和レッズ担当を務めた。06年8月よりフリーライターとして活動を開始。著書に『浦和再生』(講談社)。また、浦和OBの福田正博氏とともにウェブマガジン『浦研プラス』(http://www.targma.jp/urakenplus/)を配信しており、浦和レッズ関連の情報や動画、選手コラムなどを日々更新している。2018年3月より、ドイツに拠点を移してヨーロッパ・サッカーシーンの取材を中心に活動。

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