初戦の日本の最大の問題は「どっちつかず」 “臆病な集団”が2戦目以降に生まれ変わるには

「うまくプレスがはまらなかったというのはあります。あまり狙いどころがなかった」と語ったのはボランチの山口蛍だ。コンフェデ後に頭角を現し、W杯初戦に先発出場を果たした山口だったが、持ち前のアグレッシブなディフェンスや、前線へのダイナミックな攻撃参加は影を潜めた。

 長友佑都の言葉に、敗戦の要因を探ることができる。「相手は軽くボールを回しているだけで、僕たちも前からハメていこうとしたけど、奪いどころがなかった」。いつもは無尽蔵のスタミナと高速ドリブルで仕掛けていく左サイドバックは、ほとんどの時間を守備に回らされることになった。

 なぜ、ザックジャパンは良さを全く出せずに敗れたのか――。

 ザックジャパンが良さを発揮するための絶対条件は「コンパクトになっていること」だ。前線の選手がプレスをかけ、最終ラインが押し上げて、前後の距離感を20メートルぐらいに保つ。相手を狭い場所に追い込んでボールを奪いに行く。

 ザックジャパンは「ボールを持っているほうが良さが出るチーム」(内田篤人)だ。相手のボールを素早く奪い返すことができれば、ボールを保持する時間が長くなる。ボールを持っている時間が長くなれば、相手に攻められる時間は短くなる。守備力に課題があるチームにとって、最善の“守備方法”は自分たちがボールを持つことなのだ。

 コートジボワール戦の日本は大前提が崩れてしまっていた。ポゼッション率はコートジボワール58%、日本42%。これまでボールを保持していたチームは、ボールを取り上げられたことで自分たちの良さを失ってしまった。

 ただし、ゲームプランによって戦い方は変わる。相手が明らかに格上な場合(例えばスペインやブラジルなど)、日本がボールを支配するのは難しい。そのようなときは相手にボールを持たれると割り切って、カウンターを狙うこともある。しかし、コートジボワール戦はボールを“持たれてしまった”という表現が正しい。

 

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