なでしこ復帰の猶本がポスト澤に名乗り 「責任を持って闘いたい」

背負う大きな期待

 浦和のMF猶本光が、8月1日からの東アジアカップに臨むなでしこジャパン23人に選出された。
 その名が女子サッカー界で知られたのは、2010年にトリニダード・トバゴで行われたU-17女子W杯だった。すでに福岡J・アンクラスのトップチームでレギュラーとしてプレーしていた猶本は、田中陽子(ノジマステラ)と共に中盤に君臨。準優勝の原動力となった。決勝の韓国戦では、先制点を与えた直後に同点ゴールをマーク。3-3でもつれ込んだPK戦では、外せば負けが決まる5人目に登場し、見事にネットを揺らした。チームは後続の選手が決められずに敗れたが、豊富な運動量と、広い視野 を生かしたプレーに、次世代の日本女子サッカーを背負う逸材として注目が集まった。
 筑波大学への進学と同時に、12年に生まれ育った福岡を離れて浦和へと移籍。8月に日本で開催されたU-20女子W杯では「ヤングなでしこ」の中盤のリーダーとして全6試合にフル出場し、世界3位を勝ち取った。この時期から日本女子サッカー界のレジェンドである澤穂希(INAC)の後継者として「ポスト澤」の期待が懸けられてきた。
 しかし、そうした代表チームでの活躍や評価とは裏腹に、所属の浦和では苦しんでいた。なでしこジャパンでも活躍した柳田美幸(現クラブスタッフ)などのベテランや、U-20代表チームで同僚の藤田のぞみなどとの激しいレギュラー争いの渦中にあり、思うように出場機会は得られてい なかった。翌13年は、右サイドハーフで起用されるもプレーに迷いを深め、リーグでの出場はわずかに4試合。チームもシーズン中に2度の監督交代が起こる大苦戦を強いられ、残留争いに巻き込まれた。

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