新生「森保ジャパン」戦術考察 “選手ありき”のチーム作り、重用されてきた人材は?

広島でも稀有な存在だった森﨑和幸。卓越した戦術眼を持つ“ピッチ上の監督”を探し出せるだろうか【写真:Getty Images】
広島でも稀有な存在だった森﨑和幸。卓越した戦術眼を持つ“ピッチ上の監督”を探し出せるだろうか【写真:Getty Images】

森保戦術の鍵を握るのは「森﨑和幸タイプ」の選手を見つけられるか

 ボランチでは、森﨑的なバランサーであり本質的なゲームメーカーが森保戦術には必須である。広島時代、森﨑は「現場監督」と呼ばれ、監督の意図を汲み戦術をピッチレベルで表現できるスペシャリティーを持っている。読みの鋭いインターセプトや厳しいタックル、パス成功率95%超という精度もさることながら、90分のゲームプランを構築・実行できる本質的なゲームメーカーだ。その彼と一発で局面を変えられる攻撃性を有する青山敏弘のコンビこそ、広島黄金時代のベースだった。

 青山的な役割は、MF大島僚太(川崎)やMF柴崎岳(ヘタフェ)が担えるだろう。東京五輪世代で言えばMF神谷優太(愛媛FC)の名前も挙げられる。サガン鳥栖のMF原川力も面白い。だが、森﨑的な選手がいないのだ。

 ボールを取るという観点からすればMF山口蛍(セレッソ大阪)やMF井手口陽介(リーズ)がいるが、チーム全体をコーディネートしてゲームプランを整え、周囲の選手たちをプレーとポジション取りで動かすような、本当の意味でのゲームメーカータイプではない。彼らはアグレッシブな反面、ミスも目立つ。むしろ青山的な位置で使って積極的に走り、その後ろで例えば大島や柴崎にゲームを作ってもらうこともできるが、そうなると大島や柴崎の良さが消えてしまう可能性もある。最適任者はMF長谷部誠(フランクフルト)だろうが、彼は代表引退だ。リーダーシップを考えれば遠藤を森﨑的ボランチに起用するプランもありだろうが、MF三竿健斗(鹿島)の成長にも期待か。いずれにしても中盤の構成は森保システムの鍵となるだけに、難しい。

 ワイドは、DF長友佑都(ガラタサライ)がまさに適任。年齢のこともあるが、ストイックな彼のことだ。4年後も期待できそうだ。今回のW杯で評価を高めたDF酒井宏樹(マルセイユ)は年齢的にも大丈夫だろう。サイドアタッカーのFW伊東純也がウイングバックもできるのか、柏ならDF小池龍太の存在もある。横浜F・マリノスの戦術的キーマンとなっているDF山中亮輔も面白いし、札幌でポジションを獲得しているFW菅大輝もいい。いずれにしても、この場所は豊富な運動量を前提として、スピードと1対1、個人能力の高さが鍵になってくる。

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング