韓国FWソン・フンミン、兵役免除のラストチャンス アジア大会「金」で欧州“残留”なるか

韓国代表FWソン・フンミンは、兵役免除のラストチャンスとなるアジア大会で結果を残せるだろうか【写真:Getty Images】
韓国代表FWソン・フンミンは、兵役免除のラストチャンスとなるアジア大会で結果を残せるだろうか【写真:Getty Images】

8月のアジア大会メンバー20名を発表 ソン・フンミンら3名のオーバーエイジ選出

 韓国代表はロシア・ワールドカップ(W杯)で前回王者ドイツを2-0で破る金星を挙げたものの、1勝2敗でグループリーグ敗退を喫した。選手たちは所属クラブへと戻り、国内ではKリーグも再開。ロシアで活躍した選手たちを一目見ようと訪れるファンも多く、“W杯効果”は現れているようだ。

 そんななか、韓国代表は新たな話題で注目を集めている。8月にインドネシア・ジャカルタで開催されるアジア競技大会に出場する韓国代表(U-23)メンバー20名が発表され、オーバーエイジ枠の3人にFWソン・フンミン(トットナム)、FWファン・ウィジョ(ガンバ大阪)、GKチョ・ヒョヌ(大邱FC)が選ばれたことだ。

 彼らに話題が集中する理由は、兵役問題が絡んでいるから。3人はまだ兵役についていないが、アジア大会で金メダルを獲得すれば免除になる(五輪で銅メダル以内でも兵役免除)。

 韓国紙「ソウル新聞」は、「3人はアジア大会が兵役免除を受けられる最後のチャンス。チョ・ヒョヌは兵役問題の解決によって、欧州に進出するかどうかが決まるだろう。満27歳のチョ・ヒョヌは今シーズンが終わった後、軍隊チームの尚州尚武に入団し、21カ月の兵役義務を終了予定だった。仮に兵役についた場合、除隊後は30歳になる。この年齢での海外進出は事実上、厳しいと言える」と報じた。

 また、韓国代表のエースであるFWソン・フンミンも、アジア大会優勝を逃すと兵役につく準備をしなければならない。2015年からイングランドの強豪トットナムでプレーし、主力として過去2シーズンは二桁ゴールをマークしているが、約2年の兵役を避けられなければ、除隊後に現在のコンディションを維持するのは厳しいだろう。

 同紙は「ソン・フンミンは2012年のロンドン五輪(3位)にはメンバー入りできず、2014年仁川アジア大会(優勝)では、当時所属のレバークーゼンが招集を拒否。2年前のリオデジャネイロ五輪ではベスト8に終わり、涙を呑んだ」と伝え、これが本当に最後のチャンスであることを強調している。

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金 明昱

1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。

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