治安の悪さが懸念されるレシフェ 日本代表の初戦は日本サポーターにとっても“正念場”!?

64試合で唯一のキックオフ時間がサポーターを危険にさらす?

 

 コートジボワール戦の試合時間は現地の土曜夜22時。組み合わせが決まったときは19時だったのが日本側のリクエストで22時に変更されたという。ちなみに22時という遅い時間にキックオフとなるのは、全64試合中、この1試合のみ。

 日本で応援するファンにとっては日曜日の朝10時という時間帯は観戦しやすく、高視聴率が期待できる。だが、それによって現地で応援するサポーターが「世界一危ない」とも言われる街で、安全対策のタブーを犯して夜中に外出せざるを得なくなってしまったことを考えると、何とも言えない気持ちになる。

 さらにレシフェの試合会場「アレナ・ペルナンブコ」は郊外にぽつんとあり、アクセスが良くないのもネガティブな要素だ。シャトルバスも出ているが、ほとんどの観客がメトロを使うことになる。スタジアムに通じるメトロは1本しかなく、試合前後はまるで山の手線のラッシュ時のような混雑が予想される。

 セキュリティチェックが行われ、チケットを持ってくる人しか入れないスタジアムと違って、メトロには誰でも乗り込むことができる。混雑した車内では周りを見る余裕もなくなるし、スリにとっては格好の狙いどころになるだろう。

 最も注意すべきは日本がコートジボワールに勝った場合だ。自分たちの応援したチームが勝ったんだからうれしくないはずがない。それがW杯で、日本代表であればなおさらだ。だが、無邪気に喜んでいるところをスリは確実に狙ってくる。

 日本代表にとってコートジボワール戦のポイントはエースのディディエ・ドログバを無得点に抑えること。サポーターにとってのポイントは最後まで集中力を保って被害を防ぐこと。お互いにとって大事な“初戦”を無事に乗り切りたいところだ。

【了】

北健一郎●文 text by Kenichiro Kita

※ワールドカップ期間中、サッカーマガジンゾーンウェブが記事内で扱うシーンやデータの一部はFIFAワールドカップ?公式動画配信サイト&アプリ『LEGENDS STADIUM』で確認できます。
詳しくは、「LEGENDS STADIUM 2014 – FIFAワールドカップ公式動画」まで

 

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