スピルバーグ佐々木のリバイバルプラン リオ五輪金の鍵とは

初仕事は東アジア選手権に向けたなでしこリーグ視察

 
 なでしこは、2011年ドイツ大会で見せた戦いぶりが「女性版バルセロナ」と評価された。それは、単純にパスをつなぐということに留まらず、そのスキル、オフザボールの動き、選手同士の連動性や連携が高く評価されてのものだ。今大会でも、アメリカメディアから「芸術的」とも絶賛された。ラウンド16のオランダ戦で阪口が決めたゴールは、世界中のサッカーファンの間で「大会で最も美しいゴール」と話題になった。つまり、監督の言う連携や連動では世界でもトップクラスにある。上積みすべきは、個々の質にある。
 「選手たちも、なでしこリーグが週末から始まり、帰国早々、各チームに戻り準備しないといけない。時間的な要素は大変です。東アジア杯への視察をしながら、次があります」
 指揮官が語ったように、12日からは国内のリーグ戦が再開する。ヨーロッパでプレーする選手たちは、所属チームで新シーズンに向けたポジション争いに打ち勝たなくてはいけない。そして、8月1日には中国、韓国、北朝鮮と争う東アジア杯が中国で開幕する。そうした真剣勝負の場を通じ、選手たちが個々の能力を高めていくことが、リオでのリベンジに向けた道筋になる。
 リベンジの舞台までわずか1年。そして、リオ五輪にたどり着くためのアジアの切符はわずかに2枚。今大会様々な見せ場を演出し、映画界の名将「スピルバーグ」を自認する指揮官らしい手腕を発揮した。復活に向けた第一歩は東アジア選手権に向けたスカウティング。育てながら結果を出すという難行に指揮官は再び着手することになる。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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