クロアチアが2戦連続PK戦の死闘制し20年ぶり4強! 開催国ロシアは準々決勝で散る

ロシア対クロアチアの一戦は、2-2でもつれ込んだPK戦をクロアチアが4-3で制し、準決勝進出を決めた【写真:Getty Images】
ロシア対クロアチアの一戦は、2-2でもつれ込んだPK戦をクロアチアが4-3で制し、準決勝進出を決めた【写真:Getty Images】

延長戦でも両者譲らず2-2、2試合連続のPK戦でクロアチアが競り勝つ

 ロシア・ワールドカップ(W杯)ベスト4の最後のイスを争う開催国ロシア対クロアチアの準々決勝は、2-2でもつれ込んだPK戦をクロアチアが4-3で制し、20年ぶりの準決勝進出を決めた。

 決勝トーナメント1回戦では、ロシアは優勝候補スペイン、クロアチアはデンマークを相手にそれぞれPK戦の末に勝ち上がってきた。しかし、その疲労を感じさせるようなことはなく、互いに攻撃的な姿勢でゲームがスタートした。

 ロシアは最前線のFWアルテム・ジュバ、クロアチアは中盤のMFルカ・モドリッチとMFイバン・ラキティッチを軸に攻撃を組み立てようとしたが、互いに警戒すべきポイントには厳しく体を寄せた。双方ともになかなかゴールの気配がないなか、先にスコアを動かしたのはロシアだった。

 前半31分、中盤の競り合いからボールを奪い取ったMFデニス・チェリシェフが縦パスをジュバにつけ、リターンを供給。ボールを受けたチェリシェフがペナルティーエリア外から左足を振り抜くと、ゴール枠の外から巻いて入る芸術的なシュートを決めた。

 一方のクロアチアは同39分、FWマリオ・マンジュキッチが左サイドからペナルティーエリア深くまで侵入し、マイナスのボールを入れるとMFアンドレイ・クラマリッチが頭で押し込み、同点に追いついて前半を終えた。

 後半最初の決定機はクロアチアだった。後半14分、左右に揺さぶったボールをゴール前で収めたMFイバン・ペリシッチは、右足でゴール左隅を狙った。ボールはゴールポストの内側を叩き、ゴール内に転がるかに見えたが、そのままゴールラインを横切るように枠外へ。わずかのところで勝ち越しゴールにはならなかった。

 次第にクロアチアが主導権を握る展開になったが、最後のところで崩し切れない時間が続いた。一方のロシアも少ない攻撃機会の中でクロスなどの精度を欠いて決定機を作り出すには至らず。結局、試合はこのまま1-1で90分を終え、両チームともに2試合連続の延長戦突入となった。

 クロアチアは後半終了間際にGKダニエル・スバシッチは右ハムストリングを痛めたが、延長戦でもピッチに立った。しかし、延長前半5分でDFシーメ・ヴルサリコが負傷で交代を要求してDFヴェドラン・チョルルカを投入。リスクを背負っての戦いになった。

 しかし同11分、その交代で右サイドバックにポジションを移したDFドマゴイ・ヴィダの攻め上がりでコーナーキックを得る。すると、中央に上がったボールに頭で合わせたのはヴィダ。伏兵の一撃でクロアチアが勝ち越しに成功した。

 それでもロシアは延長後半10分、右45度からのセットプレーで中央に入れたボールをDFマリオ・フェルナンデスが頭で決めて起死回生の同点ゴール。試合は両者にとって2試合連続のPK戦へ突入した。

 足を痛めていたスバシッチだったが、先攻ロシアの1人目をセーブ。しかし、ロシアの守護神イゴール・アキンフェエフも2人目をストップした。2人目を終えて1-1と並んだが、ロシアは同点ゴールのフェルナンデスが3人目で枠外に失敗。他の選手が全て決める中、クロアチアは5人目のラキティッチが冷静に決めてPK戦を4-3で制した。

 2戦連続PK戦という試練を乗り越えたクロアチアは、1998年大会以来20年ぶりのベスト4に進出し、イングランドとの準決勝に臨む。一方、開催国として大会を大いに盛り上げたロシアは、ソビエト連邦時代の1966年大会以来のベスト4進出はならなかった。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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