実現した「あんちをもう1度バンクーバーに」 なでしこ安藤は仲間との絆に感謝

仲間に声を掛けベンチで共に戦った

 23人のメンバーに戻ったなでしこだが、55000人を収容するBCプレイススタジアムの9割以上をアメリカのサポーターが埋め尽くす完全アウェーの雰囲気に飲まれたのだろうか。試合開始から16分間で4失点を喫してしまった。前半33分、大量失点により戦術変更を余儀なくされた佐々木則夫監督はDF岩清水を下げ、MF澤を投入。責任感から号泣するストッパーに、安藤は真っ先に声をかけた。
「途中交代で悔しいという気持ちは同じ選手として分かるし、DFとして失点してしまった。いわし(岩清水)は責任感が強い。大会中もいつも連絡してくれた。ここまで連れてきてくれると言ってくれていた。ここまで体を張って、頑張っていた。顔を上げて欲しいなと思った」
 悲嘆に暮れる仲間を慰め、激励した。安藤もベンチで共に戦っていた。しかし、試合は2-5で完敗。その直後にピッチ上で死力を尽くした主将のMF宮間あやが歩み寄ってきた。
「最後、勝てなくてごめんね」
 宮間の言葉に、安藤は「ありがとう。ここまで連れてきてくれて」と返した。
 来年8月にはリオ五輪が待っている。なでしこにとってはリベンジの機会となる。来年1月以降に五輪予選が予定されている。32歳の安藤にとって最後の大舞台となる可能性もあるが、「今はワールドカップが終わったところ。今はしっかり怪我を治して、しっかり復帰して、元気な姿を見せられるように頑張りたい」と代表における去就は明言せず。まずはリハビリを乗り越えることを第一目標に掲げていた。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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