カナダで開花したポニーテールのボランチ 宇津木は次なる舞台を見据える

レギュラーとして臨んだ大舞台

 表彰式を終えると、なでしこジャパンMF宇津木瑠美(モンペリエ)は全てを出し尽くした晴れやかな表情で引き上げてきた。5日(日本時間6日)の女子ワールドカップ(W杯)カナダ大会決勝は、アメリカがなでしこジャパンを5-2で下した。宇津木はボランチで先発出場すると、試合途中で左サイドバックに配置変更。トレードマークとなったポニーテールをなびかせながら、バンクーバーのピッチを駆け回った。
 この試合、前半16分までに0-4とされた立ち上がりがなでしこの敗因になったことに疑いの余地はない。宇津木は「90分ってすごく長いようで、最初の立 ち上がり10分とかでサッカーは決まってしまうんだなと、あらためて身に染みた90分だった」と、サッカーの怖さを再認識していた。それでも、結果こそ3点差をつけられたが「できた部分ももちろんあったので、今後自分たちがもっと成長しなくてはいけないと思っています」と、一定の手応えもあったことを語った。
 若くして才能を開花させていた宇津木は、各年代別の代表チームに選出されてきただけでなく、26歳にして代表でのキャリアは10年を誇る。それでも、レギュラーとしてチームの中心になったのは、今大会が初めてだった。2011年のドイツ大会ではわずか2試合の出場。翌年のロンドン五輪はメンバー入りを逃した。その原因となる負傷は、アメリカとの親善試合で負ったものだった。
 宇 津木は、4年間における自身の成長についてこう語る。
「4年間で自分が変わったのは本当に微々たることです。サッカーの技術などが大きく変わったのではなく、人間として4年間で成長しました。それは、海外に行ったこと(10年にフランス・モンペリエへ移籍)もそうですし、コミュニケーションの大事さ、団体スポーツの大切さを考えられたこと。人間としての大事なことや、チームとしての大事なことを振り返ることができた4年間でした。そうやって、人間として成長できたことです。そういう意味では、なでしこのメンバーのすごさをあらためて考えた4年間が自分を成長させてくれました」

 

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