なでしこ有吉が殊勲のPK獲得 あうんの呼吸によって生まれた貴重な先制点

今大会大活躍の右サイドバック

 なでしこジャパンのDF有吉佐織(日テレ)は、1日(日本時間2日)、2-1で勝利した女子ワールドカップカナダ大会準決勝イングランド戦のプレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝いた。接戦を制した試合後、「本当にホッとしている。良かった」と安堵(あんど)の表情を見せた。
 ラウンド16のオランダ戦でも、先制点を挙げた攻撃力が魅力の右サイドバックは、この日も大きな仕事をやってのけた。イングランドペースの時間を乗り切り、リズムを取り戻し始めた前半32分。GK海堀あゆみ(INAC)からのパスを受けたボランチの阪口夢穂(日テレ)が前を向くと、一気に 前方のスペースへと、スプリントした。
「阪口にボールが入った瞬間に、チームでもああいった形で裏を取るタイミングがある。あれはベレーザのあうんの呼吸というか、出てくるなと思ったので思い切って飛び出した」
 まさに、チームで日々を共に過ごす者たちだけが分かるタイミングだった。背番号「19」が一気に抜け出すと、イングランドDFラフェルティがたまらずファウル。レフェリーの笛が鳴り響き、ペナルティースポットを指さした。このPKをキャプテンの宮間あや(岡山湯郷)が冷静に決め、なでしこに大きな、大きな先制点をもたらした。
 イングランドは、ロングボールを多用するシンプルな攻撃を繰り返してきた。常に目の前には大きくサイドに張り出すウイングが対峙(たい じ)。オーストラリア戦のように何度も攻め上がるわけにはいかなかった。「相手がフィジカルを前面に出してプレーしてくるので、まずしっかり守備から。DFとコミュニケーション取って相手にスペースをやられないように守った」という有吉は、耐えながらチャンスを待っていた。
 そして、「チャンスがあればタイミングよく上がっていこうと思っていた。そういった形でサイドから得点がとれて良かった」と、駆け引きに勝利した充実感を漂わせながら振り返った。

 

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