韓国メディアが“戦犯扱い”のFC東京DFを一転称賛 ドイツ撃破で「心の荷が下りた」

メキシコ戦でのPK献上で猛烈な批判を受けたDFチャン・ヒョンスだが、ドイツ戦では勝利に貢献した【写真:Getty Images】
メキシコ戦でのPK献上で猛烈な批判を受けたDFチャン・ヒョンスだが、ドイツ戦では勝利に貢献した【写真:Getty Images】

メキシコ戦でのPK献上で猛烈な批判 ドイツ戦では中盤で先発し勝利に貢献

 韓国代表は現地時間27日に行われたロシア・ワールドカップ(W杯)グループリーグ最終戦で、前回大会王者のドイツを2-0で破る番狂わせを演じた。韓国メディアはこの試合で、本来のポジションであるセンターバックではなく、中盤の位置でプレーしたDFチャン・ヒョンス(FC東京)に対して、これまでの猛烈な批判から一転、称賛の声を上げている。

 総合ニュースサイト「国民日報」は、「心の荷が下りたチャン・ヒョンス、シン・テヨンは最後まで信じた」との見出しを打ち、スタメン起用に応え勝利に貢献したと報じた。

「韓国はスウェーデン、メキシコに2連敗したが、その元凶と言われていたのがチャン・ヒョンスだった。特にメキシコ戦でハンドの判定でPKから得点を奪われたシーンと2点目を奪われた場面も、スライディングタックルは適切ではなかったという声が多い。そんななか、ドイツ戦にチャン・ヒョンスを起用するのかどうかは最大の関心事だった。だが、シン・テヨン監督はもう一度、チャン・ヒョンスを信じることを選択した」

 監督の信頼に応えようと、チャン・ヒョンスは豊富な動きで攻撃と守備に貢献。ボールポゼッションはドイツが上回っていたが、最後まで猛攻に耐えた。

 同サイトはチャン・ヒョンスが「1、2戦目を終えてインターネットの記事を見なかった」と語ったことを伝え、監督からは「本当にプレーできるのか」と聞かれ、「できます」と答えたという。

 いずれにしても、猛烈な批判が巻き起こるなか、それでも強い精神力でピッチに立ち、ドイツ撃破に貢献したチャン・ヒョンス。今大会で得た何ものにも代え難い経験は、必ずや次につながるに違いない。

(金 明昱 / Myung-wook Kim)



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金 明昱

1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。

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