「DF登録にした方がいいかな」 INAC高瀬愛実、ストライカー出身SBの“葛藤”と“覚悟”

最初は戸惑いも見られたサイドでのプレーだが、徐々に手ごたえを感じ始めている【写真:Football ZONE web】
最初は戸惑いも見られたサイドでのプレーだが、徐々に手ごたえを感じ始めている【写真:Football ZONE web】

「FWに戻りたいと思う時はあります(笑)」

 公式戦で初めてDFとしてプレーしてから約1年。最初は戸惑いばかりだったポジションにも、高瀬自身少しずつ手ごたえを感じ始めている。

「昨季はシーズン途中からで分からないことも多めに見てもらった部分が正直ありますが、今季は開幕からSBをやらせてもらっています。まだ始めて1年、吸収することが山ほどあるので楽しいですよ。ずっとFWをやっていて、ゴール前で迫力を持って勝負するのが得意だった選手がSBの位置から相手のペナルティーエリア内に入っていくことで、『怖い選手がまた一人増えたな』と思ってもらえたらいいな、と。攻撃的なSBとして得点を求められているので、なるべくゴール前にいられるようにと考えています(笑)」

 高瀬は5月12日のリーグ第6節浦和レッズレディース戦(4-2)でセットプレーの流れから豪快なダイビングヘッドを決めるなど、ここまでリーグ4位タイの3得点。DFのポジションでプレーする選手としては、もちろんトップの数字だ。FWからSBへの“コンバート”は成果が出ているが、高瀬によれば、「コンバートと言われたことは一度もない」のだという。なでしこリーグ参戦10年目の27歳は「一応登録もFWですから」といたずらに笑う。

「FWに戻りたい? (そう思う時は)ありますよ(笑)。相手が疲れてきて、あー今狙いたいなという感じで見ていると、ウチのFW陣もバトルをして同じくらい疲れている時は、自分が元気だったら(前線に)行きたいと思います。まあ、そんな美味しいところだけはもらえるわけじゃないですけどね(笑)。

 でも、今は攻撃的SBなので、基本前に出て行ける場面は行きます。鮫さん(鮫島彩)がバランスを見て、自分が行きたい時は『タカ待って』と言ってくれるので、止めてくれたらオッケーという感じ。迷惑をかけているとは思いますけど、そこはDFの先輩方に任せています。チームに必要とされて、与えられたポジションでピッチに立てるのは、選手としては嬉しい限りです」

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