ミランが誇る神童の決断 16歳が未来のイタリア代表を捨てたわけとは

アフリカ杯予選リビア戦で最年少デビューへ

 ACミラン期待の16歳の神童MFハキム・マストゥールは、生まれ育ったイタリア代表ではなく、モロッコ代表を選んだ理由を明らかにした。モロッコサッカー協会の公式サイトで語った。
 超絶テクニックを備えるマストゥールは今季、フィリッポ・インザーギ監督から公式戦のベンチ入りメンバーに選出されるなど、将来を嘱望されてきた。レアル・マドリードなどのメガクラブも獲得に乗り出すほどの逸材だ。
 イタリアのレッジョ・エミリアで生まれ、カルチョの国で育ったマストゥールだが、両親の出身地であるモロッコからA代表入りのオファーを受けると、これを承諾。今月行われるアフリカ・ネーションズカップ予選リビア戦に初招集された。
「僕がこの代表を選んだ理由は、イタリア人という意識よりも最終的にモロッコ人である意識が強くなったから。実際にはあの国で生まれたのだけれど。この決断を下すことができてうれしい。このチームの一員になれてうれしい」
 マストゥールは両親のルーツであるモロッコ人としての自我の高まりを笑顔で説明した。リビア戦でデビューを果たせば、モロッコ史上最年少デビューとなる。ミランのみならず、かつての強さを失ったイタリア代表の次代のスターと期待されてきた。アズーリは復権に向けた、大きな未来の財産を失ったことになる。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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