調整が遅れる長谷部の穴を埋められるか ザッケローニ監督が示す新オプション「ボランチ今野」

 鹿児島・指宿合宿では連日2部練習とタフなトレーニングを行っていたが、アメリカ・フロリダ合宿では1部練習に変わり、少し負荷を下げている。ただ、ここに来て徐々に離脱者が出始めている。鹿児島合宿から別メニューを続けていた酒井高徳以外にも、長谷部誠が全身に張りを感じて別メニューに。さらに岡崎慎司が微熱のため4日の練習を休養した。5日の練習では長友佑都が右足ふくらはぎの張りで全体メニューから外れるなど、連日代わる代わる選手が戦列を離れている状態だ。

 その中でも心配されるのが長谷部。全身の張りも右膝半月板のケガの影響と見られる。5日の練習後には「体は徐々に良くなっている」と語っているが、14日(日本時間15日)のW杯初戦のコートジボワール戦を万全の状態で迎えられるかはまだ不明だ。

 そこで注目されるのが、ボランチ勢の動向である。先日のコスタリカ戦では山口蛍と青山敏弘が先発、後半からは青山に代わって遠藤保仁が入り、それぞれの特長を発揮していた。ただ、W杯では不測の事態も考えられるなか、ザッケローニ監督は“ある選手”をこのポジションで起用することも示唆した。

今野に対して絶大な信頼を寄せる指揮官

「ボランチで言えば、今野がいる。今野のようなユーティリティープレーヤーがいることは、我々にとってアドバンテージになる。当然彼がセンターバック(CB)同様、ボランチで100%のプレーができるかはまだわからないが、7、8割のプレーは計算ができると思っている」

 コスタリカ戦では左サイドバック(SB)でプレーした今野泰幸を、ザッケローニ監督はチームがスクランブル状態になればボランチでも起用する考えがあること明らかにした。

 今野も指揮官の考えについて、こう答えた。

「少しでも力になれるように、やろうと思う。W杯では何が起こるかわからない。総力戦になると思うので、準備したい」

 現在、所属チームのG大阪ではボランチでプレーする今野。元々ボランチが本職だった選手だけに、指揮官も信頼を置く。

 当然、本人が真っ先に勝負するポジションはCBであり、初戦に向けた残りの期間、吉田麻也、森重真人との定位置争いは激しさを増すだろう。それでも前回大会同様、あらゆるポジションでプレー可能な今野の万能な対応力が、日本にとって大きな武器になる瞬間が訪れるかもしれない。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

※ワールドカップ期間中、サッカーマガジンゾーンウェブが記事内で扱うシーンやデータの一部はFIFAワールドカップ?公式動画配信サイト&アプリ『LEGENDS STADIUM』で確認できます。
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