「あれは悔しい」 前橋育英の智将、6発快勝も初失点に苦言 1年前の屈辱を胸に決勝へ

上田西を6-1で破り2年連続の決勝進出 1年前に0-5大敗を喫した因縁の舞台に到達

 第96回全国高校サッカー選手権大会は6日、埼玉スタジアムで準決勝が行われ、第2試合では前回準優勝の前橋育英(群馬)が、初のベスト4に進んだ上田西(長野)を6-1で圧倒し、2年連続3度目の決勝に進出。群馬県勢としても悲願である初優勝を懸けて、第86回大会を制した流通経済大柏(千葉)と8日に激突する。

 初戦の2回戦で昨年から背番号10を付けるエースFW飯島陸が5得点し、初芝橋本(和歌山)に大勝すると、3回戦では後半アディショナルタイムに飯島が決勝点を奪って富山第一(富山)に競り勝った。準々決勝では米子北(鳥取)を3-0で倒し、“タイガー軍団”前橋育英が無失点で準決勝の舞台である埼玉スタジアムにやって来た。

 前半24分、前回大会の優秀選手となったDF松田陸が大量点の口火を切ると、同27分にはFW榎本樹のパスを預かった飯島が、中央を切り裂いて2点目を突き刺す。この2分後に今大会初失点を喫しても、すかさずMF五十嵐理人が3点目を決め、長野県勢として初の4強入りを果たした上田西を突き放した。

 後半も18分の五十嵐の2点目を皮切りに、飯島と途中出場したばかりのMF釣崎椋介のゴールで今大会最多の6点を積み上げた。

 だが就任36年目の老練、山田耕介監督は大勝にも破顔一笑とはならなかった。1年前の決勝で青森山田(青森)に0-5という屈辱的な大敗を喫した苦い思いを忘れられないからだ。初優勝を遂げるまで、手放しでは喜べない。

「去年の決勝で負け、もう一度埼玉スタジアムへ戻ろうという気持ちで1年間やってきた。この思いを込めて決勝を戦いたい」

 会見の冒頭で試合の感想を尋ねられても、山田監督はそれには触れようとせず、あの悔しい思いと臥薪嘗胆の1年を口にした。

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