清水桜が丘、幾多のJ戦士を育てた名将が学んだ“初出場の教訓” 「1がなければ2もない」

「これを糧にして前に進むしかありません」

「エースが怪我をして、エースがPKを失敗したのですから、うちにとってはベストゲームだったんじゃないですか。選手はよく頑張ったと思います」

 大瀧監督は冷静に試合を振り返りながら、新たな学校名になってやってきた選手権の舞台に思いを馳せた。

「やっぱり、良いものですね。本当に晴れ舞台で、やってきたことの試験を受けるわけですから。大人にも生徒にも晴れ舞台。1回戦は重いものです。シュートを打てそうな場面で打てずに終わってしまうのも1回戦。積み上げていくことしかできませんから、これを糧にして前に進むしかありません。毎年、1からですよ。1がなければ2もないわけですから」

 サッカーどころ静岡の代表として初戦敗退に終わり、「静岡の皆さんに申し訳ない」と話した大瀧監督。「名門・清商」とは違った新たな歴史を築き上げるための第一歩を記した“初出場”の記憶は、ほろ苦いものとなった。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

フットボールゾーンウェブ編集部●写真 photo by Football ZONE web

page1 page2

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング