プレミア勢はなぜ欧州の舞台で勝てないのか? 浮かび上がる2つの弊害

「過密日程」と「実力拮抗」による消耗

「他のリーグのチームはウインターブレークを経て、CLのトーナメント・ステージに臨む。新たなプレシーズンを過ごし、ベストコンディションでやって来る。ところがイングランドのチームはクリスマスまで戦う」

 クラブの公式サイトでそう見解を述べたのはチェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督。スペシャル・ワンが触れているのは、例年大きな弊害とされてきた「過密日程」だ。

 強行軍を求められるプレミア勢のコンディション調整は困難を極める。今季からマンチェスター・ユナイテッドに就任したルイス・ファン・ハール監督も、クリスマス休暇のない日程は、イングランドサッカーにとって有害であることを訴えている。

 そして、2つ目の弊害がプレミアリーグにおける「実力拮抗」だ。モウリーニョ監督は過去に、こう語っている。

「以前チェルシーを指揮していた時代は3クラブで優勝争いをしていた。だが、今は6クラブだ。こんなリーグが他にあるかい? それこそがプレミアの魅力なのだがね」

 プレミアリーグは例年、上位争いがし烈だ。今季に関してはチェルシー、マンC、アーセナル、マンU、リバプール、トットナムという強豪に加え、サウサンプトンも対等な争いを演じており、CL出場権争いは激化の一途をたどっている。

 これは他国のリーグと比べても顕著で、スペインのリーガ・エスパニョーラでは、ここ数年でアトレチコ・マドリードの台頭はあったものの、あくまでも3クラブでの覇権争いが続いている。モウリーニョ監督が、レアルを率いていた時代もそうだった。リーグ戦においては優勝争いが白熱しているものの、CL出場権争いに巻き込まれることがほとんど皆無と言っていい。その分、CL本戦に注力できる状況にあるのは確かだ。

 対するプレミアリーグは6、7チームがしのぎを削る激戦が続き、消耗も一段と激しい。マンUのようなビッグクラブがCL出場権を逃した事実が、その激しさを物語っている。

 

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