モウリーニョ監督のタイトルへの執念 「あの男を殺したかった」と発言

ホッとしたアシスタントコーチ

 リーグカップ優勝で今季1冠目を達成したチェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督が、長年連れ添った参謀役を「殺したかった」と衝撃発言をしている。地元紙「デイリー・メール」が報じた。
 モウリーニョは、チェルシー復帰1年目の昨季、無冠に終わった。それだけにタイトルへの執念は、アシスタントコーチに殺意を向けるほど壮絶だったようだ。モウリーニョ監督は、1日のリーグ杯決勝トットナム戦を前に選手の集中力を極限まで高めるために、決勝以外の情報を遮断していたという。特にプレミアリーグで優勝争いを展開する2位マンチェスター・シティ(マンC)対リバプール戦の結果はシャットアウトしたかった。
「私はマンCの試合結果を選手に知らせないという不可能なミッションを課していた。それは不可能だとわかっていたが、ホテルやバスからテレビを排除した。選手にはマンCが最後にゴールを決められたからといって、余計な高揚や落胆をしてほしくなかった。完全なる静寂を求めたんだ」
 タイトルに執着するモウリーニョ監督は、ディテールにもこだわりを見せていたという。マンCは、アンフィールドでリバプールに不覚を取り、1-2で敗れた。それは現在、リーグ首位を走るチェルシーが優勝に一歩近づいたことを意味する。移動中のバスで選手は決戦に向けて集中力を高めていたが、想定外の人間が歓喜をあらわにしてしまった。
「我々は静寂に関して成功していた。だが、我々のスタッフのシルビーニョがバスで飛び上がって喜んだ。私はあの男を殺したかった。彼はルールを破ったのだ」
 ポルト監督時代からモウリーニョ監督のアシスタントコーチを務めるシルビーニョ・ロウロ氏が座席で大喜びし、結果が選手に伝わってしまったという。
 だが、指揮官のタイトルへのこだわりを肌で感じていたチェルシーは、トットナムを2-0で圧倒した。この優勝で最も胸をなでおろしたのは、シルビーニョ氏だったのかもしれない。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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