「良さを消されてしまった」 格上に勝利→リーグ戦痛恨敗戦…59歳カズ指摘「J3相手の方がやりにくい」

熊本とのホーム戦に1-2で敗戦となった福島
J3福島ユナイテッドFCが痛い黒星を喫した。9月12日、とうほう・みんなのスタジアムにロアッソ熊本を迎えてホーム初勝利を目指したが、1-2と敗れた。リーグ戦、ルヴァンカップと公式戦連勝で勢いに乗りかけたなか、この日は相手のハイプレスに得意の攻撃サッカーが封じられて完敗。リーグ戦3試合ぶりの敗戦で1勝1分け4敗となった。59歳FWカズ(三浦知良)はリーグ戦2試合ぶりにメンバー外だった。
【注目】“オーストラリアの国民食”が新たな名物に? FC東京と豪州企業の挑戦とは
スコアから見れば接戦だった。前半29分に失点したが2分後の31分には左からの折り返しにFW岡田優希が飛び込んで同点。後半16分にFW石原央羅に決勝点を許したものの、その後は守備陣も踏ん張って最後まで同点のチャンスはあった。ボール支配率も48%対52%と大きな差はつけられなかったし、シュート数も11本と同じ。それでも、内容的には完敗。福島らしいサッカーが見られなかったからだ。
自慢の細かくつなぐパスが、分断された。コントロールタワーでもあるMF針谷岳晃が厳しいプレスを受け、最後尾でパス回しの起点にもなるGK吉丸絢梓まで狙われた。思うようにビルドアップができずに苦し紛れのロングパスが増える。最前線で踏ん張ったFW清水一雅も、選手間の距離を離されて孤立無援。試合の大半で主導権を握られた。
開幕から3戦連続逆転負けを喫したが、第4節・奈良戦の引き分けで初勝ち点を奪い、前節のアウェー群馬戦で初勝利、9日のルヴァンカップではJ2仙台に勝つなどで上り調子だった。寺田周平監督も「いい流れで来て、サポーターも期待していてくれたと思うだけに残念」と悔しがった。
この日、スタンドにいたカズは「J1やJ2のチームより福島のサッカーを分析し、潰しに来るJ3相手の方がやりにくい」と話していたが、その通りの内容。熊本の片野坂知宏監督は「福島さんはカラーがあるチーム。抑えるための準備はしてきた」。寺田監督は「ある程度予想はしていたが、福島の良さを消されてしまった」と話した。
相手に主導権を握られながらも得点機はあった。1点差だったこともあってサポーターも諦めず、最後までコールを続けた。ただ、この日はラストパスやシュートに精度を欠き、チャンスを生かすことができなかった。リーグ戦6試合で5得点の岡田が「思い切りがなかった」と言えば、清水も「焦りがあったかも」。課題は多い。
次節からは守備の要でもあるDF土屋櫂大がU-21日本代表としてアジア大会参加のために不在になる。目標のJ2昇格に向けて、厳しい状況は続く。それでも、寺田監督は「下を向くことなく、諦めずに戦い続けたい」。リーグ戦は、まだ始まったばかりだ。
(荻島弘一/ Hirokazu Ogishima)
荻島弘一
おぎしま・ひろかず/1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者として五輪競技を担当。サッカーは日本リーグ時代からJリーグ発足、日本代表などを取材する。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰。20年に同新聞社を退社。






















