ドイツ生まれの18歳、日本代表は「進むべき道」 協会に直談判…母の母国を選んだ理由

U-19日本代表のニック・シュミット「直感的に『これが自分の進むべき道だ』と感じました」
カンボジアのプノンペンで開催される「AFC U20アジアカップ中国2027予選」に臨むU-19日本代表は8月26日、千葉県千葉市内の高円宮記念JFA夢フィールドで東洋大との練習試合を実施し、1-3で敗れた。この日中盤の底で先発したMFニック・シュミットは前半終了までプレーし、正確なパスと球際の強さを生かしたプレーで奮闘した。試合後、取材に応じたシュミットは育成年代の日本代表を選んだ経緯を語った。
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アンカーポジションで先発したシュミットは、長所の鋭いタックルと正確なパスでチャンスを演出しようと奮闘した。だがチームは運動量豊富な東洋大のハイプレスに圧倒され、2失点で前半が終わると交代を告げられた。後半に1点返すも、国内最後の実戦機会は1-3と大敗した。シュミットは「自分が経験していることをチームに出していきたい」と前を向いた。
18歳のシュミットはドイツ北部の港湾都市キールで、ドイツ人の父と日本人の母のもとで生を受けた。サッカーを始めると頭角を現し、ハンブルクを拠点とするザンクト・パウリのアカデミーに入団。2025年9月にプロ契約を結んだ実力者は、ボール奪取能力に優れた守備的MFとしてクラブから大きな期待を受けている。
ドイツの育成年代を目指すこともできたが、母の母国である日本代表を志していたシュミットは「最初にアプローチしたのは僕からでした」と2024年5月に日本サッカー協会(JFA)の関係者に接触したという。
そして2024年10月にU-18日本代表に初選出された。
シュミットは「(代表招集の)メッセージを受け取った瞬間は本当に嬉しかったです。僕が日本代表に進みたいと思ったのは、心の中で日本の血を感じているからです。母が日本の出身で、日本代表としてプレイできる可能性があるという連絡をもらった時、直感的に『これが自分の進むべき道だ』と感じました。(選出された時は)大きな期待感でいっぱいで、自分が代表チームでプレイする価値のある選手だと証明したい気持ちで溢れていました。母の母国のエンブレムを胸に戦えることがとにかく嬉しかったです」と笑みを浮かべて、ドイツ語で熱い思いを明かした。
青いユニフォームに袖を通したドイツ出身の侍は、中盤のバランサーとしてU-18、19、20と世代別代表で存在感を見せた。クラブではロールモデルとして見本にしている日本代表MF藤田譲瑠チマからアドバイスを受けながら研鑽している。「同じポジションのジョエルからは一番多くを学んでいます。練習中もたくさん声をかけてくれます。プロとしてどう生きるか、リカバリーや試合への準備、トレーニングの臨み方など、プロの鑑のような存在です」と、心酔するサムライブルーの先輩の背中を追いかけている。
今年1月のウインターブレイク期間中に、ドイツ1部ブレーメンとの親善試合でトップチームデビューを果たした。順風満帆にキャリアを歩んでいた矢先に、アクシデントがあった。今年6月にフランスで開催された「第52回モーリスレベロトーナメント」に臨むU-19日本代表に選出されるも、コンディション不良のため代表活動の不参加を強いられた。シュミットは「すごく悔しかったですし、自分自身に腹が立ちました。ですが、サッカーではそういうことも起こり得ますし、それも成長の一部です。学んで、より強くなって戻ってこないといけません」と、今回の代表招集に向けてドイツで腐らずに努力を重ねた。
8月20日から開催されるAFC U20アジアカップ中国2027予選に向けてシュミットは「(昨年2月に開催されたU-20)アジアカップも経験しているので、リーダーのような存在になりたいと思っています。例え僕の日本語が完璧でなくても、できる限りのコミュニケーションを取り、ピッチ上でチームの助けになりたいです。僕のようなプレースタイルの選手はチームに多様性をもたらせると思うので、自分のスタイルで貢献したいです。チームとして予選全試合に勝利し、全員で限界まで戦い抜くつもりです。それが一番大切なことで、その先の結末は後からついてくると思っています」と意欲を燃やした。青いユニフォームを身にまとったドイツ生まれの侍は、アジアの舞台でチームを高みへと導く。
(FOOTBALL ZONE編集部・海老田悦秀 / Yoshihide Ebita)




















