17歳→19歳で劇的弾「よく覚えていない」 名門復活へ…監督安堵「勝利できてホッと」

日テレ・東京Vベレーザの眞城美春【写真:SportsPressJP/アフロ】
日テレ・東京Vベレーザの眞城美春【写真:SportsPressJP/アフロ】

ベレーザ眞城美春「体力もあまり残っていなくて、よく覚えていない」

 女子サッカーのWEリーグが開幕、2年ぶりのリーグ制覇を目指す日テレ・東京ヴェルディベレーザが劇的な逆転勝ちで白星スタートを切った。日テレは8月23日、ホームの味の素フィールドでジェフユナイテッド千葉レディースと対戦。前半10分に先制ゴールを許しながらも同23分に追いつき、終了直前の後半44分に19歳MF眞城美春のゴールで2-1と競り勝った。

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 引き分け濃厚な展開だった。相手陣でボールを保持し、巧みなパスでゴールを狙う日テレだったが、フィジカルの強さを生かした千葉の堅守を崩せず。残り1分、エリア内で相手DFをかわし続けた17歳FW式田和のパスを受けた眞城がゴールを決め、スタンドのサポーターの歓声に応えた。

 前半ボランチでプレーし、後半はトップ下で攻撃を牽引した眞城は「体力もあまり残っていなくて、よく覚えていない」と決勝ゴールを振り返った。なでしこジャパンのエースMF長谷川唯がかつて背負った「緑の14番」を継承し、来月5日開幕のU-20ワールドカップ(W杯)での活躍が期待される攻撃の要は「勝ててよかった。今年はタイトルをすべて取りたい」とV奪回を目指して話した。

 1989年の女子日本リーグ創設以来、圧倒的な強さを見せて数々のタイトルを獲得し、MF澤穂希ら多くの日本代表選手も輩出してきた超名門。2021年のWEリーグ発足後はINAC神戸レオネッサや三菱重工浦和レッズレディースの後塵を拝してきたが、2024-25シーズンには初優勝している。昨季は再び3位に終わっているだけに、V奪回への思いは強い。

 就任2年目の楠瀬直木監督は「みんな優勝したいとは言うけれど、優勝するためにどうするかが大事。最後まで諦めない、優勝へ勝ち点を拾うためにどうすればいいかが知れた試合だったかと思います」と振り返り「とりあえず、勝利できてホッとしています」と白星発進に安堵の表情をみせた。

 この日の開幕戦は初めて「城北信用金庫パートナーマッチ」として行われた。Jリーグのスポンサーマッチは日常的だが、女子では決して多くない。パートナー契約を結ぶとともに地域連携協定を締結する城北信用金庫とホーム西が丘がある東京・北区を中心にチーム応援の機運を盛り上げるのが狙いだ。

 来場者にオリジナルうちわが配られ、同金庫所属でミラノ・コルティナ五輪出場後に引退したフリースタイルスキーの古賀結那さんがウェルカムスピーチ。北区のキャラクター「しぶさわくん」のキックインセレモニーも行われた。

 また、同金庫は今季「ベレーザサポーター定期預金」をスタート。預金残高の一部がチーム強化にあてられるもので「貯蓄しながらチームを応援」がコンセプトだ。これもJでは珍しくないが、女子チーム単独では異例。昨季限りで引退したチームのレジェンド、岩清水梓さんが大型ビジョンで預金への協力を呼び掛けるなど、クラブ全体でV奪回を後押しする。

「きょう勝てたことを、この後につなげていきたい」と楠瀬監督は話したが、道は平たんではない。次節以降は眞城らU-20W杯メンバー4人が離脱。それでも、名門チームの目標タイトル獲得はブレない。「ベレーザ」はポルトガル語で「美しい」。高度なテクニックを生かした美しいサッカーで、日テレは再び頂点を目指す。

(荻島弘一/ Hirokazu Ogishima)



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荻島弘一

おぎしま・ひろかず/1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者として五輪競技を担当。サッカーは日本リーグ時代からJリーグ発足、日本代表などを取材する。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰。20年に同新聞社を退社。

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