三井寺眞は「ただの16歳じゃない」 数字以上のインパクト…代表OBが注目する「久保建英との共通点」

横浜FMの三井寺眞【写真:徳原隆元】
横浜FMの三井寺眞【写真:徳原隆元】

【専門家の目|太田宏介】横浜FMの16歳MF三井寺眞は開幕3戦で2ゴール

 横浜F・マリノスは8月22日にJ1リーグ第3節でヴィッセル神戸と対戦し、1-0で勝利を収めた。今季最初の日産スタジアムでのゲームで決勝点を挙げたのが注目を集めている16歳MF三井寺眞だ。若手特有の「勢い」にとどまらない彼の凄さはどこにあるのか。元日本代表DFの太田宏介氏が、サイドバック視点を交えて語った。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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「ただの16歳じゃない」

 そう太田氏は三井寺を絶賛する。数か月前までは中学生だった16歳は、開幕戦で衝撃のゴールを挙げてからわずか2週間、早くも圧倒的な存在感を放っている。太田氏も「16歳っていうワードが強くなってしまいますけど、シンプルにあの11人の中でも存在感を放っていると思いました」と舌を巻く。

 特に際立つのが、年齢を感じさせないフィジカルの強さと体幹のブレなさだ。ヴィッセル神戸DF高橋壱晟と対峙した際も、「体を当てられても、あるいは背負った状態でも失わない体幹の強さみたいなところはすごくいい。強さと、あとは使い方が上手いですよね」と太田氏は評価している。

 さらに「久保建英選手も体の線は細いけど軸がしっかりしていて、当たられても倒れない体幹の強さや一瞬の速さもあったし、似たようなものを感じますね」と、かつてFC東京で共闘した逸材の姿を重ね合わせた。

 若手選手にありがちな「良いプレーは見せるが数字がついてこない」という課題とも、三井寺は開幕からの3試合で2ゴールと結果を残しており無縁だ。「神戸戦のフィニッシュのところは本当にあっぱれですけど、3試合で2得点。数字以上のインパクトを残してる」と太田氏が語る通り、プレーの端々に勝利へ徹する戦術眼が光る。

 縦への突破だけでなく、斜めに入っていくカットインの技術など相手との駆け引きに長けている。さらにピンチの局面では、相手のカウンターを止めるために戦術的ファウルを見せる場面もあった。

「勝つためにやるべきことをあの年齢で理解してプレーしている。実際に神戸相手に勝ち点3を取った中での貢献度っていうのは、ものすごくデカい」と、チームにもたらす価値の大きさを強調した。

 三井寺の良さを極限まで引き出しているのが、横浜FMの2列目が形成する戦術的シナジーだ。左利きの三井寺をあえて左サイドに配置するスタイルについて、元サイドバックの太田氏は「縦に勝負できる選手なので、利き足が外にあるほうが、ディフェンスの選手からすると嫌ですね」と解説する。

 そして、この2列目をトップ下で操るMF天野純の存在が大きい。「天野選手がトップ下に入って、右サイドの近藤選手と左の三井寺選手の、それぞれの長所をすごく引き立てている。近い距離で周りをうまく使いながら前に前進できるプレーがすごく増えてきた。天野選手が持つ独創的なアイデアとか、周りを生かす力が上手く若手の力を引き出している」と指摘し、この2列目が今の横浜FMにおける最大の強みとなっている。

「当たり前のようにスタメンで出てますけど、まだ高1の夏休みですからね」

 太田氏が思わずそう漏らすほどの若さでありながら、勝ち点3獲得に直接貢献し続ける三井寺眞。外国籍選手への依存度が高かった近年の横浜FMにあって、彼が見せるパフォーマンスはチームの新しい可能性を示すものだ。数字以上の衝撃を与え続ける16歳の躍動から、今シーズンも目が離せない。

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太田宏介

太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。

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